さわやかサバイバー

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モーニング1号 #190

コタツと必要以上に親密になりがちな今日この頃、いかがお過ごしですか。

一晩を共にする事は危険だとは知りつつも(風邪をひくから)

その魅力には逆らいがたい…

 

恒例になるのかどうか、「あらすじ」が今回も載ってましたね。

葉書一枚でイングランド中を探し回ってくれた後藤さんが、

命懸けで信じるとまで言ってくれた後藤さんが、

「冴えない顔した知り合い」扱い…ご、後藤さあーん!

 

本編はこのエピソードが前回と今回の2回にぎゅっと凝縮されてる分、

密度が濃かったというか、短いけれども読み応えがあって心揺さぶられました。

しかし余計山形への思い入れが倍増しちゃって…どうすんのこれ。

山形の今までの話も詳しく読んでみたいって気になっちゃうじゃないですか。

すげえ面白そうじゃないですか。ノンストップ欲。

 

続きからネタバレ感想

 

 

冒頭に出てきた突き上げた拳の絵が最後にもう一度違う形で出て来た時、

読み進めている時に積み重ねられていった感情が

さらにドンとダメ押しされました。

「憧れの対象」と「それを掴み取った瞬間」、

コネも何も無かった所から努力を続け、情熱を持ち続け、

確かにそれを手に入れた証としてのその絵を見たからには、

もう感動せずにはおれんのじゃい…

 

冒頭の方の拳の場面では勝利後のスタジアムの高揚感に包まれるように

やっと自分の願いが見つかった学生時代の佐倉監督の姿が描かれていて

ページをめくると、その願いがもはや

叶えられるものではないという言葉が描かれるという

かなり切ない落差があっただけにラストの喜びもまたひとしおでした。

一番願っていた事は叶わなかったけど、ピッチに入れなかったそれまでの時間の

俯瞰の視野が活きてくるってのがまたいいじゃないですか。

 

今回は佐倉監督の分析力やそれを人に伝える努力、行動力があるという

「できる奴」な面が描かれた回でもありました。

それでいて普段はあれでしょ、

選手にも「どっか頼りない」と思われるくらいのドジっ子でしょ。

でも皆団結して2部から1部に昇格してきたんでしょ。

その中には瀬古さんや中野さんも居たっぽいんでしょ。

み、見せてみい。

ワシにその、おそらくはETUよりモア・ハートフルでちょっとウェットであろう

そのグロリアスストーリーを見せてみい!

…すんません取り乱しました。……………番外編とかで無理かな(未練)

 

「憧れの達海監督」という言葉から、ただ単に大活躍していた頃の達海のファンだったとか

ETUという弱小チームを1年目でそれなりの順位につけさせている力を尊敬している、

というくらいのものかと軽く思っていた私の想像を越える

達海「選手」と達海「監督」に関わる深いドラマが佐倉監督にあったのは驚きでした。

でもこれだけのことを佐倉監督は達海に言わないんだなあ。

あくまで監督同士としてフラットな立場で戦いたいということなんでしょうか。

言葉でなく山形との試合という形で伝えたかったとか。

ここまで「言葉」で自分の道を切り開いてきた人が。

 

主人公である達海の姿を投影したり、対比したりされてる人物が

何人か居るように私は思っています。

椿なんか「7番」の系譜で、まんまですもんね。

あとは、「選手として必要以上のものを抱えてしまっている」姿としては村越、

「怪我をしながらもプレーせずにはいられない」姿としては持田かな、と。

そこに「弱小チームの監督を務める」姿として佐倉監督が入ってくるのかな

と今回読んでて思いました。

しかしだからこそ、佐倉監督には達海とは違う力や視点も見せて欲しいなと

思っているのですが。

ETUを崩しにかかる場面で今後見られますでしょうか。