遠い夏のゴッホ

西田シャトナーさん作演出、松山ケンイチさん主演の舞台「遠い夏のゴッホ」が

NHKBSで放送されていたので見ました。

 

私にとっての西田シャトナーさんのイメージは、自分がその舞台を見ていた時の

「人気はあるけど、あくまで関西の小劇団の人」のままだったので、

テレビに出まくっている松山さんと舞台をされるというのを知った時

ものすごい衝撃だったものです。

 

まっすぐに、自分の信じる所、求める所を目指す主人公と、

「虫の世界」という小さな、しかしそこで繰り広げられる普遍的な、大きな物語の世界は

西田さんが所属していた惑星ピスタチオの舞台が思い出され懐かしく感じ、

同時に、演じる役者さんはがらりと変わった新しい舞台を楽しむことができました。

 

無垢に、恋人とともに成虫になる事を夢見る幼年時代も、

時間に逆らいながら、様々な虫の人生と関わりながら年老いていく老年も

松山さんは素晴らしく演じられていました。

平清盛」の時もそうでしたが、老人役の体がギシギシいってそうな感じの演技、

松山さんすごく上手いですよね…

 

西田さんの舞台では舞台装置を使わず、役者が口でその状況を説明しながら

指や体全体を使って表現する、というパワーマイムと呼ばれる手法があるのですが

(例えば役者何人かで口や足を分担し、大きな生き物を演じたりする)

今回もそれがあって懐かしかったです。

作品の舞台となっている場所の違いもあってか、昔よりは少なめな感じでしたけどね。

何万人規模の部隊とか、安土城ロボとか、低学年から見た異様にでかい高学年生徒

とかあったなあ…(笑)

 

今回の主人公はセミ!周りの登場人物も全部虫!という舞台でした。

しかし、容赦なく流れる時間、

セミならセミとして生まれたがゆえに逃れられない生き方、

捕食者や被捕食者などのシビアな関係、

その関係の中にも生まれるコミュニケーションや友情、

限られた時間や運命の中で

どう自分は生きるのか、生きていく意味を何に見出すのか、

という普遍的なテーマや深いドラマが繰り広げられ、

魅力的で個性的なキャラクターとともにその世界にのめり込み

虫の世界というだけではない、大きな流れを感じ、体験させられるような舞台でした。

 

 

この放送を見た後、惑星ピスタチオのメンバーの現在をちょっと調べてみました。

今も演劇に関わっておられる方が多く、なんだか嬉しかったです。