さわやかサバイバー

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少年ハリウッド 第15話メモ

少年ハリウッドの感想メモです。

第1期(第1話~第13話)視聴済み。

小説版の内容に触れることもあります。ご了承ください。

 

 

第15話「守り神は見ていた」

 

ポエム出ポエム〆ポエム!

ED最初歌えるのかと思ったけど歌えなかったわ!ポエムだったわ!

 

まさかのキャット一人語りという、「それやっちゃうんだ!」的衝撃の幕開けから

そのキャットの思い出として語られる初代解散の場面に胸が締め付けられ、

今まで見たことないEDでまた衝撃体験という

感情のジェットコースター具合にも程があるだろ!といった感じの第15話でした。

他にもいつものごとく次回以降の展開への下ごしらえがしてあったり

新生メンバーの加入事情が主に二人ツッコミどころがありすぎだったり

本当に見てて頭と感情が忙しい作品ですよ。

筋だけを追うとキャットが昔のことを思い出し、

シャチョウが今の状況に危機感を覚える、ってだけの話なのにね。

表面は大きな事が起きない、普通に流れていく日常風景と見えながら

そこに込められている意図、理由、感情などを

掘り下げようと思えばいくらでも掘り下げられる深くて広い背景を持っているのが

毎度すごいです。

 

初代と新生の少年ハリウッドを繋ぐ存在であるキャットの目を通して語られる今回の話。

過去の話をするなら、ずっとノエルジャパンエージェンシーにいるテッシーでもよかったのでは、

と思いましたが、OPで初代の扱いが大きくなっていることからも分かるように

初代、特にその解散についてと新生の少年ハリウッドに物語の焦点を合わせるためには

初代シャチョウが事故に遭う直前に連れて帰ったというキャットが相応しかったのでしょうね。

最後に出てくるシャチョウとテッシーの意見の違いを描くためにも

両者以外が語り手の方がよい、というのもあったのかもしれない。

ついでに言えばテッシーにはここで描くべきではないドラマがまだまだありそう。

 

 

第1期の終盤で語られた新生少年ハリウッドを結成した動機、今回明らかになった

ファンにとって初代少年ハリウッドを永遠にするために解散しようと言いだしたのが

他でもないゴッドだという事実、

それらからシャチョウが並ならぬ強い想いを新生少年ハリウッドに懸けているのが

分かります。小説版を読んだ方なら、さらに強く感じられることでしょう。

しかし彼はそれを新生メンバーには明かさない。

初代とは違う形で新生メンバーが永遠となることを望んでいるから。

第15話での「あなた達は誰のために、何のために頑張っているんですか」

という問いかけは、初代が見つけられなかった道を見つけなければならない、

見つけて欲しい、と思う背景があっての言葉ではないかと思います。

 

今回シャチョウが説教する場面は小説版を読んでいると「お前がそれを言うのかよ!」と

色んな意味で思ってしまう言葉がありました。

小説版で彼が辿った経緯、彼がかけてもらった言葉とは

相反すると感じたものだったからです。

 

「アイドルよりもっと向いている職業があるかもしれない。

 いつまでも才能とずれたことをしていたら、不幸でしょう?

 それに早く気付くに越したことはない」

→アイドルになりたいという思いを抱えたまま、なれずに年を重ね、

常識的に考えて手遅れと言える年齢になってスカウトされ、

夢を終わらせるつもりでアイドルの道に入った。

 

「自分の人生すらままならない人間と約束するなんて、まっぴらごめんです」

→「私たちが、この頭で考えを巡らせても、できることなんて限られている。

だから、人は運命に力を貸してもらうんですよ」と初代シャチョウに言葉をかけてもらっている。

 

シャチョウの考えは私にもよく掴めない所が多いのですが

これらの言葉もまた、初代とは、自分とは違う道を見つけて欲しいという

思いの表れなのかと思いました。的外れかもしれませんが。

 

 

しかし初代解散の場面ね、

数ある楽曲の中でも特にメロディアスな「子鹿のくつ」をぶつけてくるとか

こっちの涙腺をどうするつもりなんですか…

初代にとっての「少年ハリウッド」が、ファンの「オレンジ」たちが、

まぶしいものであればあるほど、そこを去らねばならなかった事実が切なく胸に迫ります。

別れ際の言葉がその後を暗示しているようなものなのも、考えられてのことなんだろうな。

芸能界の表舞台とは全く違う仕事に就いているダイチ、ランは

「じゃあな」「バイバイ」という別れの言葉。

芸能界の先輩として新生を後押ししてくれるコウは「元気で」というエールの言葉。

トミーの「またね」は新生メンバーにも「少年ハリウッドのトミー」が誕生することを

示しているようです。

リュウはアニメだけでは分からないけど、小説版を読むと

笑顔がそのまま感謝の表れであるような、

その奥にもっと別の感情も隠されているような。

そして一番気になるのが、どれにも当てはまらない、

何か言おうとするけど無言で去っていくシーマね!

最後のステージであれほど少年ハリウッドに対しての強い想いを語った彼が

現在どうしているのか初代メンバーも知らないらしいなんて

気になって気になって仕方がなくなるじゃないですか!

なんなんですか、シャチョウに対してのカウンターとしていつか現れるんですか。

この件すくい上げてくださいよ…こんな爆弾投下されたままじゃ生殺しですよ…

 

 

最後の握手会に関してのシャチョウの危機感、

私には今の時点でどこがまずいのかは分かりません。

メンバーもファンも喜んで手ごたえを感じてるように見えるんですがね。

素直に次回以降を待ちたいと思います。

 

それ以外の所で今後に関わってくるのかなと思ったのが

トミーがテッシーに気を抜くと姿勢が悪くなると叱られたのをきっかけに

新生メンバーが姿勢を良くするためという名目でほうきで遊び始める所でした。

「またバカやってー」と微笑ましい場面ではあるんですが、

ソロ曲の「運気上昇イエローパンチ」でトミー自身が姿勢について歌っているだけに

ざわざわするんですよね。

第14話ではシャチョウに運気上昇担当であるトミーが運を否定してどうするんですかと

指摘されてもいました。

2話続けて「少年ハリウッドのトミー」の売りや根幹である所を指摘されているのが

ドカンと来る前振りなんではないかと勝手にそわそわしてしまっています。

ほうきの場面、本物ではないおもちゃみたいな「後光」だけれど

トミーはポーズを取った時に崩れてしまったのに対し、

キラはその「後光」を背負ったままでやれていました。

本物ではなくても、曲がりなりにもオーラらしきものをまとえているキラと

そうではないトミーの対比なんでしょうか。

第14話でもセンター争いに積極的なキラと、

そういうのは好きじゃないと言うトミーという対比がありました。

二人のアイドル観、アイドル活動に対しての姿勢の違いが

ここ2話で描かれていて、今後に繋がるのかなと考えてしまいます。

 

 

次回予告はお互いのハリウッドカラーが入っている服を着ている

ケルトミーシュンがかわいいなー、と思って見てたら

並行してテッシーがにこやかにすごいこと言っててギョッとしました。

直なの…