さわやかサバイバー

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少年ハリウッド 第22話メモ

少年ハリウッドの感想メモです。

第1期(第1話~第13話)視聴済み。

小説版の内容に触れることもあります。ご了承ください。

 

 

「ファンシーメルシーブラックコーヒー」

 

終始、わーきゃーわーきゃー言いながら見てました。

主役のキラの「あらあら」具合はもちろん、

マッキーの完全にお兄ちゃんじゃねえか的行動とか、珍しく全編ツッコミ役のカケルとか

もう、もう、ひたすらかわいかった…そしてばかだった…

かと思ったらキラさん最後にカッコよかった…

 

他のメンバーの担当回だろうが切れ味鋭くプロとしての姿勢を見せているキラのこと、

自分の担当回になったらどんな話が待ち受けているのやらと身構えていたらこの話ですよ。

やられた。いつもがプロとしての面が前に出てるだけに

担当回ではプライベートの方を掘り下げることになったのかな。

 

元々の性格とか、浮かれてるというのもあるんでしょうが

何かしらある度にマッキーが「こえーよ!」と言っていたように

キラのグイグイ行きすぎるアプローチには、加減とか戸惑いとか恐怖心とか

普通なら周りの友達の話を聞いたりするうちに、なんとなく察していく恋愛に付きものの感情を

知る暇もないまま来てしまったんだなあと勝手にしんみりしていたのですが、

自分の失恋を悟った瞬間、プロとして生きて来た佐伯希星が背負ってきたもので

彼はあざやかに答えを出してくれました。

第13話で見ることができたように、

何が何だか分からないままで走ってきた年月も彼自身の人生で、

その人生で得て来たもので答えを出す事ができる、

佐伯希星という人の厚みを感じることができた話でした。

 

マッキーが誰よりも早くキラの変化に気付いたのはなんとなく納得できる流れでした。

プロ意識などキラと真逆の立場として描かれることも多いマッキーですが

それだけにキラが送って来れなかった「普通の人生」を送ってきただろうし、

家を出た後は働いたり社会生活も送っただろうし、

そういった多様な人の中で生きて来た経験に加えて、

繊細で人の感情の機微に敏感な面もあることはこれまで描かれてきたからです。

ただ、自分のこととなるとすごい鈍かったりするんじゃないの、とも思ってしまうんですが。

 

 

少年ハリウッドは何かを食べたり飲んだりする場面が非常に多いです。

人が生きていく上で欠かせないこの行動は、彼らの存在を身近に感じさせてくれます。

また、出された食べ物を食べるかどうか、という所で

相手を受け入れているかどうかの目安となる演出もあり、

第19話でシュンは最初手を付けなかったランのケーキを

彼の生き方を認めた後は食べているという他の方の指摘も見たことがあります。

第22話では食べ物飲み物は恋愛感情に大きく関わるものとして、

もっと言えば性的な「あなたが欲しい」といった意味も込めての

アイテムだったように見えました。

キラが売れ残りのマイナーなサンドイッチばかり買って行くのは

「他の人が知らないような所まであなたを知りたい」という

意味が込められているような気がするし、

出かける彼女を引きとめようと「全部買う」と口走ってしまうのは独占欲!って感じです。

自販機の飲み物をおごるという申し出は、

背伸びをしたブラックコーヒーに投影した自分も合わせて

「自分(の贈る物)を受け入れて欲しい」という思いの表れなのではないでしょうか。

ここで引いたりしないで申し出を受け入れてくれるサンドイッチ屋のお姉さんが

実に理想的な「初恋の相手」でよかったですよね。

そして気持ちを汲み取った上できちんと断ってくれる。

この包容力を持つ相手として年上でなければならなかったんだろうなあ。

妙に子供っぽかったりオッサンくさかったり、コミカルに表現されているのもあって

欲に絡む感情を匂わせながらも甘酸っぱい青春エピソードとしてまとめ上げている

この作品のバランス感覚は毎度毎度凄いです。

 

しかしキラさんアイドル活動の方は他メンバーの活躍含め正直どう思ってるの?

まだデカいのが控えてるんじゃないの?と頭の片隅で思っていたら

予想外の方からどデカいのが来た予告でした。

ここに来て…!