コンクリート・レボルティオ~超人幻想~ THE LAST SONG 第19話感想

「推参なり鐡假面」

 

混迷極める神化の世に、古き正義がよみがえる!

其の白銀の刃にて、悪と柴探偵事務所のデスクを一刀両断ッ!!

 

続きからネタバレ感想

 

 

第1期に漫画として登場した鐡假面剣士は絵物語で語り継がれてきた存在であり、

実在した上に氷漬けとなって生き続けていたのでした。

そんでメッチャかわいい。

 

鐡假面剣士(てっかめんけんし)こと影胡摩(かげ こま)は正義と悪がはっきり分かれ、

絶えるまで相手を潰した方が勝つという

古い正義感の世界を生きてきて、また自身もそれを体現する存在です。

果たしてそれは人々の暮らしに、影胡摩の心に平穏をもたらしたのか。

迷いなく行うことのできるひとつの正義を追い求める柴と、

善悪がはっきりしていた(ように思えた)頃からの変化を泣いた風郎太がそれぞれ

片方は登場し、片方は登場しないことで絡んだ今回の話で

はっきりしてれば幸せに結びつくものではないということを

彼女の身をもって二人やその周囲に示したようでした。

 

悪の組織を裏切った龍神アサヒの志は認められることはなく、

かつての行為から悪だと判断され、

正義の存在であることを求められる影胡摩が

アサヒと戦いたくないと思うことは許されない。

彼女が活躍した時代では善悪の枠からはみ出した想いの行き場はありません。

ゼスサタン党との戦いを終えた影胡摩が未知の世界へ旅立ったのは

「あの狭き国から連れ出してくれた」という言葉からすると

そんな役割から解き放たれる新天地を求めてのことだったのかもしれません。

氷漬けになったのは意図してではなかったようですが、

無意識に自分の願う夢を見続けられることを望んでいたから

受け入れ、微笑みながら眠りについていたのかもと思います。

 

そして夢から起こされてみれば正義と悪の概念は変わり

心身ともに血を流して悪を倒した後の世でも争いは続いているという。

大切な人もろとも悪を封印したという事実にも、もはや後悔ばかりがつのり

発掘という形で世に出たその証を破壊しなければと思いつめてしまいます。

それを体を張って止めた爾朗が言った言葉が「かっこいいじゃないか」。

なんというか、あまりに素直で幼い言葉だと驚きました。

しかしこれは、それまで認めてもらえなかった龍神アサヒの志を、

彼と協力し悪を封印した影胡摩の選択を

正しかったと認めてくれる言葉だったんだと思います。

時代や「こうあるべき」と望まれる役割に苦しんだ心を救う言葉だったのだと。

 

私は前回の爾朗の「子供を守るのが超人」という言葉を

どんな人にもある心の中の子供の存在を守るという意味だととらえました。

「現在何であるか」ではなく「何でありたいか」を重視するものだと。

価値観というものは相対的で時間と共に否応なく変わっていってしまうものです。

絶対だったはずのものが変わってしまった事実を300年後の世界で突き付けられ、

影胡摩が自分のしたことに意味を見出せなくなった時、

それでもその時代にも「自分が何をなそうとしたか、何であろうとしたか」を

認めてくれる存在がいたことで踏みとどまれたのでしょう。

 

作品中で「神化」という「現在」を生きる爾朗たちもまた、私たちから見れば

フィクション世界ではあるけれども昭和がモデルという意味で「過去」です。

影胡摩の正義が過去のものとなったように、

爾朗たちの正義もまた、過去のものとなることは避けられません。

既に爾朗の正義感はあちこちで「古い」と言われてますし。

ではそれらはやがて全て意味を失うのでしょうか。

私たちが彼ら・彼女らが何をなそうとしたのか、何であろうとしたかを

知ろうとする限り、その光は失われることはないと

画面のこちらにも言われているような気がしました。

 

 

影胡摩がかつての正義感の存在する過去に戻らず、

神化の時代を生きていく選択をしたことは

過去の超人たちの物語、あるいは今回のオマージュとなった特撮時代劇が

過去だけで完結してしまうのではなく、

現在や未来も生き続けていくことができる、そうであってほしいという

希望や願いを象徴しているのかもしれません。

と思うと同時に、ただ単純にこの回だけで大好きになってしまった彼女の

これからの旅路に喜びがあるように願ったエンディングでした。

 

 

以下箇条書きで色々

 

タスマニア島で消えた影胡摩がどうして南極で発見されることに?

だいぶ距離あるよ?っていうか海あるよ?と思って少し調べてみたら

船長さんが言っていた「メガラニカ」とはあの時代

南半球の大部分を占めると考えられていた大陸のことらしく、

オーストラリアあたりも南極も地続きと考えられていたからなんですね。

「メガラニカ」 Wikipediaより)

こちらの世界では架空の存在である超人が神化世界では実在しているのと同じように、

この説の通りに地続きだったとかいう可能性があるんでしょうか。

胡摩チャンすごい頑張って泳いだのかもしんないけど。

 

・アサヒを思っていても倒せるのかと話すあの時代のジャガーさんと影胡摩の場面、

モノクロに近い景色の中の真っ赤な椿が印象的です。

梅かなにか違う花のようですが、鐡假面剣士となる前、

滝に身を投げた時の影胡摩の着物にも赤い花が描かれてるんですよね。

超人となった後も変わらず残る少女としての心を赤い花が表しているように感じました。

 

・流れるようなネタばらし。哀れジャガーさん…(笑)

第2期に入ってからのジャガーさんわりと貧乏くじ引かされてますよね。

離反した人間の引っかき回しやら個人的な目的で突っ走る同僚やらの中で

現実的な手段で地道に頑張ってるのにねぇ…

 

・300年を「そんな昔のこと」って言ってたけど

笑美の地位からいうと正直そのくらいの歳でもおかしくないと私思ってたよ(笑)

300歳はいってなかったか。

 

・第1期終盤の言動からウルは輝子に対して冷徹に見てる部分があるのだなと

思っていたんですが、今回女王候補を外れると分かっていても側にいるのは

それだけ親愛の情もあるからなのかなと思いました。

お目付け役としてそうしているのかもしれないけど。

女王になれない、ならなくてもいいのなら、

魔女としての役割から自由になってもいいんじゃないかな。輝子はそれを望むかな。