コンクリート・レボルティオ~超人幻想~ THE LAST SONG 第20話感想

「終わりなき戦い」

 

自らの手を汚した末に正義の後ろ盾を失ってしまった男の悲劇が描かれると共に、

彼をそうした人物の目的が明らかになれば、そこにはさらに闇が広がっていたという

重く、苦いお話でした。

 

続きからネタバレ感想

 

 

今回、機械化という人の力による平定こそが人類を新しいステージに導くのだという

カロルコ大佐の発言で第2期に入って描かれてきた「古き存在が居場所を失う話」が

ここに繋がってくるのかとハッとしました。

デビラとデビロは追われて、というより

「なら先に宇宙へ行くねー」くらいの破格の存在でしたし

影胡摩は世界の果てを見に行くというポジティブな目的を見つけてましたが、

同時にデビラ族のジャックフラッシュは虐げられてたり、

ピリカッピは住処の森を開発により失っている。

この流れの発端であるピリカッピに憑依されたのが笑美であり、

今回の危機感を持った発言や

ここまでの身勝手な人間に呆れたりしている描写などの積み重ねから、

OPでほのめかされているようなことになる瞬間が近づいているのだなと感じました。

第2期に入ってからの笑美はあけすけというか、なりふり構わなくなってる感じが

常に秘密を抱えて裏がありそうな第1期よりは親しみやすいなと思っていたんですが

自分たち一族の存続という面で追い詰められていたのだとすると辛いです。

爾朗パイセンがいらつかせてる面も多いとは思うけどな!

 

笑美の「本当の敵」発言は初めアメリカという国の方針を指しているのかと

思っていたのですが、それを司っているのがマスター・ウルティマだとすると

「地球で太古から人類と共存する一族」対「宇宙から来た人類の進化を促す存在」

というスケールの大きなものになるんですね。

二人ともが純粋種ではなくて人間とのハーフという点が

ただ単に人間との折衝役として選ばれたからではなく

物語的にも意味を持っているのかどうか気になる所です。

特にマスター・ウルティマは個人的な動機やら欲望やらが

全然見えてこないのが不気味で。

多くの登場人物たちが出自や立場ゆえのエゴや主張を持っているので

彼もそういったものがあるのではないかとは思うのですが。

 

 

エゴという点では爾朗の「超人を守りたい」というエゴの限界が

容赦なく描かれた回でもありました。

私はこれまでの展開から、今の爾朗は子供が超人に抱くような無垢な憧れや

そうなりたいと思う心や意志を守っていこうとしているのだと思っています。

今回もマレルの最初に超人になろうとした時の気持ちを肯定し

もう一度それを呼び覚まそうとする言葉を彼に掛けています。

だけどそれはその後戦争で傷つき歪んだマレルの心を救うことはできない。

結局マレルの片を付け、爾朗を守ったのは二人が裏切られたと感じていた

父(と、それを象徴する大佐)という大人の判断でした。

また、第18話で多くの人がこれから苦しむことになっても超人でいたいという

若村さんを庇ったように、たとえ犠牲が出たとしてもその志を守るという

偏った想いでもあります。

あの時はカムペが事態を収めてくれましたが、爾朗がその選択をし続けた時

罪のない人の命が守った超人によって奪われることにもなるんだ

という事実を突き付けられました。

主人公といえども事態を解決することはできず

その意志さえも身勝手さを伴い安心して心を寄せることはできないのは

実にコンレボらしいと思います。

でも甘くても、子供でも、

善いことができるはずだ、そうありたいと願っていた想いを肯定してくれ、

結果後戻りできなくなるところまで行きついてしまっても、

最後まで見届けてくれる「いてほしい、いたらいい」と思える存在である爾朗は

私にとってやはりこの作品の主人公なのだと感じました。