読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

GIANT KILLING 単行本第42巻感想

村越がいち選手として再生してきた分岐点であり、

地道な成長を重ねてきた椿がその都度「自分はまだまだだ」と感じさせられる節目、

何より東京という地域の王者の冠を相手から取り返すチャンス、

東京ダービー、3度目のETU対東京ヴィクトリー戦が始まりました!

 

続きからネタバレ感想

 

 …の前に恒例らしい、雷門前での集会の様子から第42巻は始まります。

なんかいつもはポワーっとした感じになってしまうみたいなんですが、

達海の盛り上げ力もあって今回は成功したようです。

ただ、藤澤さんによればこれは達海だけの力ではない、ETUが、サッカーというものが

町を元気にする力を秘めているとのこと。

第1巻のイギリスで田舎町のサッカーチームとそれを応援する町の人を見ながら

「何か似てたんだ…俺の好きだった町の人間に」と

懐かしそうに、少し寂しそうに語っていた達海。

あの時は仕方ない事情だったとはいえ、サポーターや町の人の気持ちも裏切ってしまうような形で

浅草の町を出ていくことになった達海が

今、町を活気づける原動力のひとつとなり、また町の人に歓迎されている様子に

胸が温かくなります。

あと、さりげない感じでしたけど、もう一度選手としてプレーしてくれという声に

「今の俺のフットボールを選手達が代わりにやってくれてんだ

 俺がプレーしてんのと大して変わんないぜ」

という台詞も第30巻の展開を振り返るとじんわり来ますね…

達海もあの時のメッセージがちゃんと手渡せて、受け取ってもらえたことを感じているんだなって。

 

 その後には花森へのインタビューという形で語られる持田と花森の関係と過去の話が。

恐怖の大王とド変人、極北の2人のライバル意識と奇妙な友情の話が

あの…よかったんですけど…?(困惑)

まさかこの2人でこんないい話読めるとは…

けなし合い、(少なくとも花森は)恐れ、

だが相手がいることで「自分が一番だ」というプライドを刺激し合い、

結果代表の座まで登り詰めた2人。

持田の代表復活をなんだかんだ言いながら、嬉しそうな表情も見せる花森の姿に

様々な面で持田は今ここまでになった彼を形成する欠かせない一要因なんだと感じました。

しかし花森の子供時代はまだかわいい感じもあるけど、持田はいつ見ても顔怖いな…

第41巻のおまけページの成長過程笑いました。全体的にでかくなってるだけじゃねえか(笑)

 

 

大一番らしく、試合前の達海の鼓舞も、選手やサポーターの様子もたっぷりと描かれ、

これからの勝負に期待感を持たせてくれます。

持田の登場シーンはまさに「出たーっ!」って感じで、

相変わらず怖い顔で怖いこと言って椿を震え上がらせたりしてますが、

そんな持田に面と向かって「いつか渡り合えるような対等の選手になりたい」と

言えるような自信を椿も手に入れたんだというのは、

選手として精神的にも成長できたんだなと実感できて嬉しいですね。

ていうか本当に偉いよ…あの持田相手だよ…

椿がこんな対応しても「じゃあ地獄を見せてやるよ」って言っちゃうような奴だよ。

でもその後

「こんなこと椿君を意識してやってるから言うんだぜ 感謝してくれよな」

っていうのは言い方こそあれですけど、椿がそこまでの選手になった証明でもあって、

認めてるから全力で戦うという、選手として正しい姿なんですよね。

代表の時もですけど、持田の勝負にこだわる姿勢や行動の方向は間違ってない所が

面白い所でもあり、キャラクターを掴む上でやっかいなところでもあります。

言い方だけが、っていってもその言い方が大問題なんだよな…

 

選手入場の際には観客によるコレオグラフィーも。

これ、スタジアムが一体となってる感じが出て盛り上がるんですよねー!

見てて単純に美しいっていうのもあります。

ただ自分が参加してると見えないんだけど(笑)一員となってる感触は楽しいものです。

 

そしていよいよキックオフ。序盤からやり合う、緊張感のあるいい展開です。

ETUが各自の持ち味を発揮して流れを作るものの、

ヴィクトリーが王者として、日本代表を数多く有するクラブとして

要所要所で意地とテクニックを見せてきて、完全には持って行かせません。

パスを繋ぐだけでなく、DFから前線へ一発で通す攻撃を成功させたりと、

前回対戦の時、その最中だった新しいチャレンジも引き続き行い続け、成果を出している様子。

リーグ戦の順位こそETUより下であるようですが、

ETUが王者となるために倒さなければならない現王者の風格は十分といったところでしょうか。

穴かと思った所は予想外の力を発揮し、こちらの決め手はことごとく潰される。

流れはETUにあっても攻めきるイメージがなかなかできません。

達海は何か策を授けているんでしょうか。

その上さらに持田が異様な存在感を示してきて、というところで次巻!

待ち遠しいですが、これまでの集大成とも言える試合なので

じっくりといいものを作っていただきたいです。