GIANT KILLING 単行本第48巻感想

なんだろう、ブランの計画通り代表内の競争が激しくなって、結果全体のレベルが底上げされていい結果に結びついてるのに、性格悪いおやじにいいように動かされてる感が拭えないのは…たぬきおやじ(チャーミングタイプ)だよね…

 

そして椿はまさかそういう立場にもなっていくの!?

 

続きからネタバレ感想

 

 いつもの海外組をスタメンから外したブランの采配に揺れつつも初戦勝利を目指す日本代表。海外組に負けじと結果を残すべく奮起する国内組、そう簡単にポジションは奪わせないと力を見せつける海外組、という大枠だけでなく、選手それぞれのプレッシャーが描かれてるの細やかでいいですね。新たにゲームキャプテンを任された者の責任感、中堅に差し掛かろうとする世代の焦り、八谷は…あいつだけなんか個人的な理由だけど。

ブランの采配に対しても受け取り方は様々で、海外組でも冷静に分析してるアレック、文句たれてる桐生と各選手によって違いがあるものの、結局はみんなの闘志を焚きつけているブランは怖いな。体調や精神を労わった結果、という事情もチラ見せしてたけど、どうにも勝負師の方の印象が強いです。だって楽しそうだもん。根っこの所では楽しいか楽しくないかで決めてるような気がする。そういうところも達海っぽいといえば達海っぽいんですよね。あ、アレックと桐生はゴール後の単行本オマケの「ふぅーっ!」がかわいかったです。結構きつかったのな!

 

そんな中ひとりブランの思惑に乗らない選手が。いつもダウナーすぎてよく分からないけど花森、調子上がってないみたいです。うすうす自分でも気づいてはいるようですが、そういう時にも一人称が「この天才は」なのちょっと笑う。

原因はともに日本代表を引っ張っていこうと約束した持田の不在でした。分かりやすく美しい友情ではなくとも互いに切磋琢磨する存在だった相手、ずっと代表の舞台でともに立つことを待っていた相手がこの場所に来ることが叶わないという事実は本人が自覚する以上にモチベーションを奪うものであったようです。最初は「なにこのアクの強い組み合わせ」と思っていた二人でこんな切なくなるとは…

 

そこに気が付き心の穴を埋める助けをしたのが椿っていうのがね!まさかそう来るかと。ずっと持田と対比して描かれてたじゃないですか。読者としては成長して持田に対抗できるような存在になることを期待して読んできました。追いついたとは言えないままに持田は怪我でいったん表舞台から引くことになりましたが、彼の役割を引き継ぐような形になるとは。もちろん椿はまだまだで、持田の代わりになんてなれないでしょうが、そのくらいの器になるかもという可能性を見せてくれただけでワクワクしました。

 

最後に城西がひとりで重責を背負った花森の孤独について語ってますが、これなんとなくETUをやめる前の達海とも重なる気がします。怪我で輝かしい未来を失った過去の達海と持田、ひとりで全てを背負う立場になってしまった過去の達海と花森、ETU7番の系譜である達海と椿、花森の相棒としての持田と椿。光が乱反射するように誰かの光を受け取ったり返していく中、その人自身の光も増していくように感じられるのは巻数重ねてきたからこそだなあ。それがこの先何を映し出すのかも非常に楽しみです。椿の成長はどのくらいの光を放ってくれるのかな。