松本英子さんの「謎のあの店」(ソノラマコミックス)を読みました。
あまりにもたたずまいが昭和、あまりにもコアな範囲の物を扱っている、
あまりにも立地が謎…等々、
見かけたら気にはなるけど、自ら入ってみるには勇気がいる!というお店を
作者の松本さんが実際に訪ねて描くルポ漫画です。
「ブラタモリ」とか「ナニコレ珍百景」とかで見たあれかな?というお店もチラホラ。
松本さんも興味はあるけど、踏ん切りがつくまでに
店の周りをグルグル回ったりされていて、
「あー、そうなるよなあ」というおかしみが、店に入る前から既にあります。
それでも入っちゃうところがスゴイんですけど。
そうして入った先では、普通によい仕事を長年されている所あり、
やっぱりそういう感じか…(笑)な所あり、
見た目以上に濃いワールド広がっている所あり、実に様々でした。
しかしそのお店の中身以上にこの本を面白く、独特にさせているのは
松本さん自身の見方だと思います。
そこではどんな時間が過ぎてきたのか、
その店はどんな風に人々の中で受け入れられてきたのか、
様々な事に思いを馳せ、そこにあるもの、
そんな所に自分が居る事に面白さを見出し、
愛おしいと思う松本さんの視点があってこそ、
下世話な興味を満たしてもくれるけど、それだけで終わってない、
「読んで面白い」作品になっているのだと思います。
とか書くと、高尚なスタンスで、
なんかよく分からない思考が展開されてるように見えるかもしれませんが、
漫画自体はとっつきやすく、「くくく」と笑って読める感じです。
読んだ後、今後自分はそういう店に入るか、と考えてみたんですが、
…やっぱりなかなか難しいような(笑)
鉄道系立ち飲みバー「キハ」は検索だけしてみました。…楽しそうだな!