さわやかサバイバー

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コンクリート・レボルティオ~超人幻想~ THE LAST SONG 第16話感想

「花咲く町に君の名を呼ぶ」

 

超人課(とおたずね者)、北へ。

 

続きからネタバレ感想

 

 

超人になるかどうかの選択肢を与えられてならなかった人というのは

今回初めて出てきた存在でしたね。

今までは自分の意志とは関係なくそうなっている場合が大半でした。

(そうやって考えてみると、いきなり選択を迫られて信念のために躊躇なく自分の命投げ出した

白田さんの覚悟の決まりっぷりすごいな)

もともと人を超えた存在、人の可能性をさらに広げた存在として

考えられていた超人になることで

かえって自分の才能の限界を知ってしまうのではと恐れ、

その道を選ばなかったというのがこの作品らしいひねり方だなと感じました。

さらに国の思惑というやっかいなものまで絡んで来る訳ですが、

それらたくさんのものを背負い切れなかったただの人が

せめてと真摯に臨んできた自分の仕事で可能性を広げ、様々な垣根を超えて調停をなしとげた

(コンレボにしてはめずらしく)さわやかなお話でした。

 

雨戸さんが、すごい力を持ってるくせにしょうもないいざこざ起こしてる場合じゃねえだろと

ジャガーさんと爾朗を一喝した場面、ホントにそうだよなと思うと同時に

前回爾朗にどっぷり入れ込んだすぐ次の回にそんなことを感じさせられるのが

面白いなと思いました。

これは今回の脚本を手掛けたのがゲストの中島かずき先生だから

いつもとは違う視点で、どちらかというと一歩引いて超人課を外から描かれているから

そう感じた部分もあると思うんですが(第9話もそんなところありましたね)、

こちらのインタビューに書かれているように

各話のゲスト超人たちが主人公格、爾朗と超人課はむしろ狂言回しという

第2期の特色がこの回でより強く打ち出されてきたからかもしれません。

 

雨戸さんは超人ではありませんが、前回明らかになった天弓ナイトの真相から繋がる

超人ではない人間の持つ可能性を示した人です。

今後の展開に重要になってくる要素を持った人だと思いますが、

それでも今回はたゆまぬ研鑽とあくまで人が行える範囲の工夫の結果として

自分の可能性を広げたところが晴れやかな気持ちにさせてくれたのだと思います。

 

 

以下箇条書きで色々。

 

神道の話なんですが、神社のしめ縄って

結界でもあり雲を表してるとも言われてるんですよね。

そこから下がっている藁は雨、ジグザグの紙は雷なんだそうです。

稲作に必要なものを飾り、五穀豊穣を祈っているのだとか。

今回の登場したピリカッピは神道とは違う方面の神様みたいですけど、

そんなこともあって人が豊作を願う神様が雷っていうのはすんなり飲み込めました。

 

・「頭にお花」というどうにもホンワカしてしまう現象のおかげでのんきに構えてたら一転、

エグイ感じで人が木になっていくギャップがいかにも神様という

こちらの考えの及びもつかない感じや、倫理観が異なる存在の感じがしてよかったです。

しかし同時に、かつて交流を持ち、今は同じように表舞台から遠ざけられたものとして

雨戸さんを選んだのかと思うと人とも共通する心を感じたり。

両方描かれてるのが魅力に繋がってました。

笑美の屈託のない表情というのもめずらしく、かわいかったですね。

 

・ガンバが雨戸さんを襲った時、なんでそんなマジシャンみたいな恰好をって思ったけど

頭のお花を隠さなきゃいけない→シルクハット

スキャンダルはまずいから顔も隠さなきゃいけない→仮面

って考えていってああなったのかなって。

ファッションはトータルコーディネートが大事だもんな。

 

・最後、笑美が東京の地に眠る土地神のことについて触れてたけど

39年のオリンピック…じゃない、国際スポーツグランプリの時には

その土地神様、何もしなかったんでしょうか?無事開催されたみたいだし。

そこにもなにかドラマが隠されてるとか。