twitterに上げた灼熱カバディの感想をまとめたものです。
続きから第8巻ネタバレ感想
第66話
最終日の最終試合、合宿の中でヒントを得て作り出し失敗し再度挑んだ技が最後、待ち望んでいたものを呼び込む展開はまさに全日程が凝縮されているようで濃密でした!
あのカッコつけの宵越が吠えて満面の笑みでガッツポーズしてるの、本当に嬉しかったんだなって…能京メンバーが宵越の元へ王城部長引っぱって行くのも泣ける。天才の部長がいても勝てなかった能京、部長を勝たせてあげたいという気持ちもいっぱいあったんだろうな。よかったね、よかったね…!
その紅葉の最後の壁として凡人と自ら認めるヒロが立ち塞がって来るのも熱い。天才にはなれないが、天才に置いていかれないよう最大限の努力と工夫をしてきたことを確かな自信としているのがカッコいい。ムードメーカーとして部を率いていく立場のヒロと参謀として支える井浦とはタイプが違いますが、どちらも天才の相棒の凡才としていい描かれ方してるなあと思います。尊敬とコンプレックスでがんじがらめなのも好きだから井浦も好きだぜ。
最後の攻撃の時になんて声をかければいいか悩むコマは井浦らしい場面でしたね。できることあるのに「見てることしかできない」なんて考えになるのがもう、井浦よう…!宵越が過去、井浦に掛けられた言葉でその場面を打開していくのは感慨深かったです。合宿だけでなく井浦が引きこんだ時からこれまでがブワッとよみがえり宵越の攻撃が集大成に感じられて高まりました。言葉をもらった相手が与えた本人に時を経て返すというシチュエーションは弱いんすよ…
予想外の関係が生まれたり、その影響が広がり絡み合い各個人の、チームの成長に繋がった合宿。めちゃくちゃ濃かった…面白かった…英峰も紅葉も今後チョイチョイ出てくれんと許さん。大好きにさせた罪は重いですよ先生…!
第67話
合同合宿終了!合宿ってのはそれだけでおいしいシチュエーションですが合同ということを活かしきった大変読み応えのあるエピソードでした。各所の化学反応、予想外の成長、どれもが相互作用していく様子に毎回唸らされました。
合宿で得た成果と課題をかみしめ大会に向けて決意を新たにしていくそれぞれ。試合が終わって挨拶とかする中でちょいちょいギャグが入るの楽しかった。灼カバ日常描写があんまりなくてストイックな方だと思うけど時折挟まれるギャグ描写も好きなんすよ。
(キャッチーな掴みを狙ったのか初期にあった勘違いネタはもうそういうので笑いを取る時代ではないと思うのでちょっとおしい。その後は文句なく正統派の熱さになるんだよ!って伝えたい。)
佐倉くんのキラキラしょってからの「めぎゅう」とか笑うでしょ。敵にも味方にも感謝だ、って言ってたけど、それはそれとして悔しかったんだ!悔しかったんだね!
他にもきっと人見ちゃんや関が英峰に挨拶に行ったら宵越がまた敵と慣れ合いやがってみたいなこと言って、若菜が「不倒は身体の大きさのわりに器が 小 さ い な!」とか応戦してワチャワチャとかあったんでしょ!描かれてないけど!
今回さりげなく井浦の活躍回じゃなかったですか?王城部長の複雑な気持ちにも1年生3人組の歯がゆさにも気付きそれぞれの方向にフォローできるのはさすがだ。特に3人の様子に気付けたのは自分も「もがく凡才」と自覚しているからだろうなあ。本人にとってはコンプレックスでもあるだろうけどそれは井浦だけの強みなんですよね。おまけに宵越に締めの一言のお膳立てまでして完璧じゃん?
人気の王城部長がゆるぎない最強の人ではなくなってしまう展開は冒険だったと思います。でも今回本人が佐倉くんに伝えていたように彼をおびやかす人が出てこなければ成長もない訳で、あれほど強くなりたいと努力している人にしたらそんな状況は残酷ではないでしょうか。
たとえ内心悔しさに歯噛みしていたとしても相手に礼を言える度量のある人だし、あの王城部長がこの経験バネにしないはずがないじゃないですか。その過程も見られると思うと今後の楽しみも増えてよい展開だったと私は思います。
しかし英峰や紅葉のメンバーが毎回見られるのは今回で終わりか…合宿、本当に濃くてみんな大好きになったからさみしい…
第68話
いままでにないタイプの潤い回、かと思いきや、宵越と畦道の信頼関係ふり返るいい話回、かと思いきや…まあそれでもその場だけでない連携ができる相手として畦道を認めてることを心の中で思うだけでなく誰かに自分から話すなんて本当に宵越変わったなあ…
人見ちゃん素直に対応してくれるから話しやすかったんだろうな。関だとしゃらくせえ方面になりそうだし伴くんだと声が届かなそうだし。
こういう軽めの回が何回か続くのかな?幕間エピソードだと思ったら本気で熱かった騎馬戦があるから油断できない。ああでも大会始まっちゃったら3年生最後の大会になっちゃうから少しじらしてくれてもいいのよ…!
第69話
続いたー!?スポーツでは強みになってる宵越の負けず嫌いと理論的な所がこんな残念な形で発揮されるとは。ひっどい。あまりのひどさに人見ちゃんのツッコミ能力が開花してしまったじゃないか。ナイス。
畦道だけじゃなくてね、宵越も初めて対等な仲間ができてよかったね、って喜んでもらえる状況なはずなんですよ。ただ畦道の彼女みたいな相手がいないから…いないから…お、お母さんとかかな…お母さん!竜哉くん休日に一緒に出かけるような友達できましたよ!いま全力でその子のデート邪魔してます!(お母さん泣いちゃう)
第70話
各校エースたちが激しくぶつかりあった合同合宿。もちろんそれ以外の選手たちも成長をした訳ですが、カバディという競技の特性と絡めてあらためて守備のフォローをしてくるのがな~!誰もないがしろにしないのがな~!好き!
水澄の奮起は記憶に新しい所ですがその時限りの活躍にせず、その力は勝負の要になっていくんだよと、すぐさまチームに還元されていくのはいいですね。チームに厚みが出ると共に展開の厚みにもなってる。それを王城部長が告げてくれるのがまたね!部長に頼るしかない戦い方をふがいなく感じていた水澄と伊達にとって「安心して帰れる自陣になった」って言われるのはどれだけ報われることだろう。さりげなく挟まれてる過去のコマがね、泣けるぜ…
年月のぶん、2人に守備の中心を任すだけの信頼があるのも嬉しい。宵越や畦道は1年生でも突出した能力があり、目立つ存在だけど、地道に積み重ねた連携はそれに勝るとも劣らない力なんだと。経験が重視される作風が自然と2年生の存在感を増していて、3年生が卒業して初めて2年生がフィーチャーされるような展開にならないの、上手いなと思います。そのキャラが居なくなったら作品に魅力がなくなるようなキャラ頼みの作り方されてない。
そんで次回からは高谷と一緒に他校へ?合宿とは違う感じの垣根を越えた交流が見られそうで楽しみ。高谷が一緒で波風立たねえはずがないもんな!
第71話
志場、不破に影のように従う物静かなタイプかと思ったらマイペースな不思議ちゃん系でもあったのね。一見熱さを感じられないけど、先輩選手を全滅させても「大したことない」と言う彼の目標や意識がどこにあるのか描かれる時が楽しみ。
不思議ちゃんでも強豪校のスタメンだものな。よほどの想いと実行し続ける強さがなければなれないはずだし。名前に意味付けがされてて、意志や想いが大きな力となると描かれてる灼カバで志(こころざし)の場という名前が付けられてるだけで期待値が上がるってもんですよ。
前髪長めで美しい顔立ちだけど試合となれば髪くくっておでこ出してるのいいですね。凛とした雰囲気でかっこいい。
このミニゲームで1年生同士の因縁も生まれるんでしょうね。本大会に向けていろんな繋がりが広がっていく感じ、わくわくします。
まずどうケンカを売るかって考えてるのが高谷の高谷たるゆえんだよね…そういうところ嫌いじゃないぜ。畦道は…がんばれ!ネコ系戦闘民族2人ハウスに入れるの大変だぞ!
第72話
バレエからの転向とはこれまた意外なところから。どんな競技でも勝負事には変わりありませんが、芸術方面の評価が加わるものってやっぱり違う感じがします。今を強調するような言い方といい、志場自身も思う所あるんでしょうか。今後掘り下げ来るかな。
しかし宵越バック見せちゃったのかよ!王者相手だし本気でやらなきゃ成果は得られないだろうけど本大会前に手の内さらすようなことしてよかったのかな。井浦あたりが怒りそう。部長は自分も参加したかったとか言いそう。
不破が志場に守備練追加したのは宵越評価してる表れだと思うんですが、志場は気付いて宵越は気付いてないの、結果的に不破を通してお互いが意識することになってどんどん因縁ができあがっていく感じ、いいですね。
水掘さんの言葉も気になるな。守備方面で脳京に新たな動きが来るかな?2年生ズの守備の強みって積み重ねた連携だから一朝一夕には強化できないし、たぶん彼らが教えるのではなさそう。本大会までの1ヶ月に何かある?それともその後の布石?
第73話
さっそく守備コーチの件に進展が!スピーディーに進んでいいねえと思ったらご本人が読めない人だった。どうなんのこれどうなんの(キャッキャ)なによりあの井浦が青ざめるほどってのが只者じゃない。やだ、そうなった経緯じっくり聞きたいじゃない…
勝つため、強くなるために必要だと思ったら率先して行動できるのが宵越の美点で、得体の知れないコーチにだって自ら頭を下げて頼むことができるんですよね。前半のギャグ風のぎこちない敬語と一話の中で対比になってていいなと思った場面でした。
第74話
うんうん、今の能京カバディ部の雰囲気っていいよね…焦りや葛藤はあるけどそれがお互いを高め合う方向になってる。それには宵越の負けず嫌いも影響していて、全部主人公の力ではないけど主人公がいる意味がちゃんとある。
連れて来られたばっかりの宵越が言ってたように普段みんな能天気なくらいカラッと明るいんですよね。それはカバディがまだマイナーでそれまで縁がなかった人間が多く、妬みが生まれにくいっていうのもあるかもしれない。マイナーゆえの苦しみもあるけどこういう利点もあるんだな。
その中にエリートだった宵越の勝負に対する本気度や意識の高さが投げ込まれ、周りと化学反応を起こして、今の、仲はいいけど慣れ合いはなく、互いを思いやりつつ切磋琢磨する環境になっていった。第27話で既にさらっとここらへんも描かれてるんだよねえ…
久納コーチの意図がつかめず迷う宵越に一番最初に彼の影響を受けた畦道が原点を思い出させるっていうのがいいですよね。その上で理解し合う者同士、相手の上を行こうと本気の勝負をする。「お互い様なんだ…!馬鹿野郎…!!!」ってモノローグがさあ!本当にいい相棒になったなあ…!
第75話
スタメンぎりぎりの人数しかいない能京では強豪のように理想的な布陣にはできないけど、それでもちゃんとした指導者の指示によって個々の能力や限定的な連携ではなく組織的な守備にめきめき生まれ変わっていく様子に胸躍ります。
王城部長や井浦はマイナー部でここまで本当によくやってきたし、指導する立場としても分かりやすい伝え方をして偉そうにしない、よくできた先輩だと思うんだけど、手が届かない部分がこんなにもあったんだなとあらためて気付きますね。
でもそれはこれからの伸びしろで、伸びることで悲願が達成される可能性が高まることを思えば、久納コーチ来てくれてよかったなあ…って気持ちになります。
一方その指導方針は宵越にとってきつい状況にもなったようで。負けず嫌いで勝つためにはどんなことでもやるのが宵越のいいところなんですが、逆に言えばその道が見えなくなるのが一番ダメージ大きいんですよね。水掘さんから話聞いてたし、久納コーチは宵越のそんな性格知ってるんじゃないのかな。王城部長を尊敬しつつ超えようとする姿勢はいいことのように思うんですが、それじゃまだ足りない面があるんだろうか。
久納コーチが出てきた時は「おっアクの強いキャラでテコ入れかな?」と勘ぐったりしたけど、キャラとかマイナーだとか全く気にならないくらい、指導者を得て変わっていく弱小、というスポーツ漫画どまんなかの面白さを貫いてる灼カバ、信頼できるぜ…