twitterに上げたジョジョの奇妙な冒険の漫画感想をまとめたものです。
2013年頃のもの。第3部以降は漫画で初めて触れました。
続きから第5部ネタバレ感想
康一君の調査
康一君まで改造学ランを着るようになっちゃって!というか旅行は私服で行きなよ。
空港の警備員の「黒い髪だったのがここ最近急に金色になったらしいんだ」に「なった経緯が知りたいのは色じゃねえよ!形だよ!」という気持ちに。
静かに微笑んで去られるのは結局舐められてるんじゃないのか康一君。
吸血鬼なのにカメラに写るのかとか、それにしてもあっさり撮られてるなとかツッコみたい気持ちもありますが、「まあDIOだからな」と思うとなんだか納得してしまう。いつもちょっと抜けてるのがあの子の魅力。
ジョルノの出自は知っていたんですが、あのお父さんからよくこんな隙のなさそうな子が生まれたよな、と思ってしまいます。
承太郎の取り巻きに比べるとジョルノの取り巻きはみんな聞きわけがいいな。これもジェネレーションギャップか。
ジョルノの出自や例のギャングに出会うまでの生い立ちには暗いものがあるんだけど、初対面の康一君に「さわやかなヤツ」とまで言わせる人物になり得る、という所にも人間賛歌の精神が表れてるのかな、と思います。
パッショーネ入団まで
ブチャラティが動揺したらジッパー噛んじゃう、なんてことにならんのだろうか。
ジョルノのスタイリッシュ前言撤回。
「ぼくが」「あんたの」仲間になるんではなくて、「『あんたは』『ぼくの』仲間になるからだ」ってその時点でギャングでも何でもないジョルノが自分を始末しに来たギャングのブチャラティに言ってのけるのがジョルノのスケール感を出してるなあと思います。
それまで本気でブチャラティを始末する気だったとことか、自分の体を傷つけてでも攻撃しようとしたとこまででも十分規格外なんですが。15歳よね?
第3部は主人公の目的にがっつりスタンドが絡んでいて、第4部も最初はスタンド使いになった者たちが起こす事件の話だったけど、第5部はハナから主人公の目的の中心にスタンドは関わって来ないんだな。連載が続いてスタンドという考えが知られて来たからできる展開なんだろうな。雰囲気や舞台だけでなく、こういう物語を構成する要素まで柔軟に変化させて来たからここまで連載が続いているんだろうな、とも思います。
一見意味不明な課題を課せられるっていうのは、スポーツ物とかカンフー映画とかのお決まりですよね。それが「ギャングの入門試験」だとか「スタンド能力」が加わってるせいで緊張感や不気味な感じが生まれてて面白い。
「決まりを破った時に災厄が訪れる」っていう所は怪談みたいでもありますね。ブラック・サバス格好いいなー。
ジョルノがポルポを始末するシーン、考えたらどうやってポルポがバナナを口に入れた瞬間が分かるのかとか謎なんですが、それでもいきなりマフィアの幹部に手を掛けるジョルノの行動力の方にインパクトがあって押し切られちゃう感じ。この「押し切っちゃう」魅力と勢いがあるのが荒木先生のすごい所だと思います。色々細かいこと考えるのも楽しいけど、あまりにも気持ちよく流れにのせてくれるので、いいや乗ってっちゃえ!って感じで私は読んでます。
ブチャラティ幹部昇格まで
ブチャラティのチーム初登場のレストランのシーン、軽い日常会話をしながらいきなり切れたり、それを仲間が平然と眺めてるといった、暴力が身近にある感じがなんかいかにもマフィア物!って感じですよね。
映画っぽいというか、こちらが「いかにも」だよね、って思いそうな感じを分かってて出して来てあるような。掴みとしてはこのくらい分かりやすい方がいいんじゃないか的な。
それはともかくフーゴのフィギュアのCMでなんでフォークのパーツが付いてんのか分かったのがうれしい。でももっとシリアスな戦いで使うんだと思ってた。
ミスタはあんなフカフカ素材を素肌に着てチクチクしないのかと思うんだけど、ファッションに関しては他の人にもツッコミポイントがあり過ぎるのでどうでもよくなってくる。
「話でもしようや」の所は、なんかもう、戸惑うな…
おー、ポルポの死がこういう風に繋がって来るのか。
クローズドサークルのミステリみたいな展開になって来た。犯人はこの中に居る!とは限らない!(スタンド絡みだから)
ミステリみたいと言ったけど、絵面はホラーだった…ペラペラのナランチャ怖い。
ブチャラティに殴られるコマでズッケェロが掴んでるアバッキオの顔が安らかすぎて笑う。仲間を信頼しきってる顔だぜ…
岩にクロス引いてパンとサラミとチーズとワインだけのお昼なのにおいしそうなんだよなー。
食べ方ワイルドなのに「ペット扱いすると機げんが悪くなる」だのお昼寝だの、なんだこの和み発生機の生き物たちは…デザインだけ知ってた時は「ちょっと怖い」と思ってたのに。
ジョルノが機転を利かせて無線で大声出してミスタに標的の事知らせたり、相手がとっさにブラインド下ろして姿を隠したりといった攻防が緊張感あって好き。
銃声に騒ぐボート小屋の管理人に返す言葉が、気のいい奴だけどやっぱりマフィアなんだなって感じ。
いくら空中に物固定できるからってサーレーの移動方法怖すぎるわ。遊園地の自転車漕ぐみたいにしてレールの上進むやつだって怖いのに私絶対無理だわ。
トントン叩いて力をためるという見た目の地味さがかえって怖い。でも面白いわー!
ジョルノ、精一杯のボケ(真面目に)
掃除人の変装をしたペリーコロさん(マフィア幹部)に「よくお似合いで」と言ってみたくなる奴はいなかったのか。
スタンドで触ろうが、便器は便器という考えが離れないの。
フーゴを指名したのはジャケットに等間隔に空いた空気穴が吸水性を高めタオル代わりとして普段使いに最適だからではない。
買い出しに行く前のフーゴとナランチャのやりとりはもはやフーゴが鍵でツッコミたいが為の前振りにしか思えない。君それやりたいだけだろ。
あるいはフーゴとナランチャ二人の間の様式美的なものみたいな。そう見ると、真面目にスルーするアバッキオがノリの悪い、無粋なやつに見えてきてしまうんだよな。乗ってやれよ!
両腕を滑走路みたいにするエアロスミスの引っ込め方いいよね。
物語の序盤でのキャラクターの過去話は安心して読めるからいい。終盤になってからだと、もろフラグだもん…
「かまいませんね!!」は前から知ってた台詞ではあるんですが、あたらめてその言葉選びのセンスの独特さがインパクトあるよなあと感じました。
(スタンドは精神力によって強さが変わったりするものなのに、身長の大きさと比例しちゃうもんなんだろうか…)(ナランチャが動揺して自分と共に小さくなると思い込んでるだけで、その気になればスタンドだけ大きさ元に戻せるのかな)
ジョジョの動物描写って基本怖いよね…
ナランチャは仲間の中では末っ子的立場なのに、ホルマジオ戦の決着の時の男前っぷりったら。ホルマジオの最後の台詞の良さもあって渋い感じにすらなってるもんな。その覚悟の深さは逆に「そこにしか居場所がないから」ということの表われにも見えて、カッコいいんだけど切なくもある。
イルーゾォ戦
アバッキオがジョルノにツンケンしてる。よくあるパターンだとこういうキャラは一旦認めてくれると一番の味方になってくれたりするもんだけど。まだ道のりは遠い様子。
あっ、フーゴの過去1コマで済まされちゃった。
パープルヘイズ「うばぁしゃあああああ」からの「グフ グフフ」が予想外。えっ、バカかわいい…?これがフーゴのスタンドっていうギャップが面白いな。隠されている凶暴性、という面の他に、「たまにはバカになりたーい」という気持ちもあるんじゃないだろうか。
アバッキオ、「ダバァッ!」って効果音のアクションはマサルさん連想しちゃう。こっちが先だけど。
裏目の行動→それは罠でまんまと敵の裏をかいたぜ→でもピンチになったぜ→決死の覚悟で状況打破だぜ→でもジョルノが意を汲んでくれなかったぜ→だけどそのおかげで結果みんな助かったし任務も成功したぜ、とこのエピソードのアバッキオせわしない。
しかも間に過去話たっぷりだし。そのおかげでツンケンしてる理由が分かったけど。味方なのに突っかかって来るなーと思ってたけど、それも自分の拠り所を守るための一心で、そういう生き方しかできないと思うと、やはり彼も悲しいな。
ジョルノのスタンド能力の応用力には驚く。蛇の中にワクチンができる、のはまだしも、それを取り出して注入までできるなんて聞いてない。平和だったらその応用力で炊飯器でごはん炊きながら卵ゆでて蒸気で蒸し野菜も作るとかしてるんじゃないだろうかジョルノ。
プロシュート・ペッシ戦
トリッシュのおっぱいが見えそうでわちゃわちゃしてる所は、基本逃亡劇で気の抜ける所の無い第5部でめずらしくくだらねーって笑える所でいいな。10代20代の若者なんだよねこいつら。ミスタはまだ性格的に分かるけど、フーゴのこういうとこ見れてちょっと安心した。
亀の中に部屋が、ってファンタジー的なワクワク感があるなー。クジラのお腹の中で生活するのにも似た憧れ。マフィアの攻防というシビアな話の中に、いきなりこういう要素が入って来るバランスも面白い。
ザ・グレイトフル・デッドのデザイン禍々しくてカッコいい。
わりとみんな美形でスタイリッシュな第5部で老人化現象って思い切った事するよなあ。
プロシュート兄貴がミスタ捕まえて正体明かすとこはリアルで「ヒッ」て声が出た。うわそういやズボンが確かに兄貴だ。優位に立った後の急転直下、敵側の意外な戦法と自分を死に近付けてまで目的を果たそうというやり方に唸る。
そんで兄貴の脅しと叱咤と諭しと指導の絶妙なバランスよ…加えて見た目もカッコいいときたら、そら人気出ますわな。
スタンド解説のページで「本体ープロシュート兄貴」って「兄貴」まで名前に含まれてるのがほほえましい。
「ペッシペッシペッシペッシよォ~~~」の語感が好きだ。
ジョジョの登場人物は動物のフンに詳しすぎない?
健気には…弱いんだよ…ナンバー5いい子だよ…実質自分とおしゃべりしてるようなもなのかとか思っちゃうけど。
敵側も関係性で変化していったり成長していく話はやっぱりいい。
ペッシ対ブチャラティ面白いなー!しかしブチャラティの覚悟は凄いけど読んでるこっちまで息苦しくなりそうな戦い方だ。
己の覚悟でピンチをしのいで列車の車体から出てくるブチャラティかっこいいわ。あといつの間にかピストルズの中でも凶暴な面したナンバー6と良コンビになってるのもいいよね。
ペッシ株乱高下。一旦は敵に一目置かれるほどに成長したというのに。
痺れる戦いのシメにご主人のことすっかり忘れてたナンバー6がのん気すぎてかわいい。あとこの真顔で血を流して倒れてるちっちゃなミスタが。
メローネ戦
メローネの目の所のサングラス的なあれはなんなの?透けてる素材ならなぜ片目だけ目の周りくりぬく必要があるのか。左右の目の見え方違ったら危なくないのか。実にツッコミ心をくすぐるあなた。
で、いきなり下品な話題なんですが、キスの形、ってことになってるけどあれ、本当は男女の仲がもっと深くなった時のコミュニケーション方法だったんだろうな。48だし。
メローネのスタンドはどういう理由でああいう形になったんだろ。お母さんになりたかったとか…?微笑ましい様な切ないような歪んでいるような。
ストーリー上の都合とはいえ、ジョルノがこんだけピンチなのに他の仲間が気付かないのはのんきすぎる。追われてるんだろ君ら。
孤軍奮闘するしかない状況の中で自分に攻撃される瞬間を狙って相手を亀の中から出すとか、相変わらずジョルノの肝っ玉のすわり具合がすごすぎる。
ジョジョの登場人物は足に大怪我をしても、とっさの処置で歩けちゃう割合が多すぎやしない?単純にここのコマのジョルノカッコいいし、一発逆転の展開には痺れるんですが。
このエピソードのベイビィ・フェイスやゴールド・エクスペリエンスの能力で物質が違う物質になる様子は絵として見て楽しいです。アニメになったら変化していく様子も面白そう。
ギアッチョ戦
あっ、ここで「根掘り葉掘り」なのか。っていうか初登場時の台詞だったのか。そらインパクトあるわな。
ここでこういう風にムーディ・ブルースを使うやり方そのものも面白いと思うんだけど、その中でスタンド使いではなかった人物の覚悟や潔さ、ギャングの非情さというものが見えてくるのがまた面白いなと思います。アバッキオやられててもボスは次の手を打つだけでペリーコロさんの行動は変わってなかったんだろうなとか思うとまたね。
ミスタの過去話は、他の主要人物が精神面も含め「そうならざるを得ない」感じでギャングになってるのに対し、運命的な出来事と出会いによってそうなったけど、性格的に「陽」のままギャングになってるのが面白いですね。
一瞬で車の時速から風速を換算→さらに体感温度のマイナス導き出し。ジョルノすげえ。しかもこれもはや「いつもどおり」なのがすげえ。そんなジョルノさんに計算違いが起こったり、ジョルノさんの上を行く機転をミスタが見せたり、かと思ったらギアッチョがすぐその上を行ったり、優勢があっという間にコロコロ変わる中、二人の覚悟の相乗効果で勝利を掴むという展開が、まあ面白いの熱いのなんの。
オチがまさかの展開な所も含めて好きです。落差が。
ディアボロ初戦
仕方ないこととは言え、第5部は本当の目的がジョルノとブチャラティ以外の仲間に秘密のままって所がちょっとさびしい。直前にミスタとジョルノの絆が深まって行く熱い話があったばかりだし余計に。ばれたらダメなのが前提だし、仲間と言っても上司部下なんだし、とは分かってはいるんですけどね。
エレベーターでのブチャラティとトリッシュの会話は好きです。今まで気丈にしてきたトリッシュが、いよいよ父親と会うという時になって不安を吐露する所。そうだよね、不安で無いはずがないんだよね。
「あたし…父親の事…好きになれるのかしら?」「そんなことを心配する親子はいない」この会話も好き。励ましの言葉の選び方がクールでいかにもブチャラティという感じ。でも優しくて、今までの戦いの連続から一転、繊細でウェットな雰囲気になってるのも印象的。
ボスのこともその目的も読む前から知ってはいたんだけど、それでもこの直後の展開は絵の力含め衝撃的でした。
不安でいっぱいなのに、それでも歩み寄ろうとしているトリッシュの姿を見せた直後にそれを踏みにじる行為。読者のボスへの感情が一気にコントロールされてしまう。上手いなあ。
そんな続きが激烈気になるタイミングで過去話!?っていうかブチャラティの幼少期から培われたファッションセンスゥー!?(混乱)
顔はかわいいのに、小さい頃から出来た子だったんだな…自分より相手のことを考える賢さと優しさと意志の強さがこれだけ仲間に信頼される理由なんだけど、それが彼自身の不幸に繋がらないかと母親が心配したというのもよく分かる。
あ、なるほど、過去話が現在の状況と心境につながるのか!
「そういえば礼言ったっけ?」の台詞の横でチョコもぐもぐしてるナランチャかわいすぎる。しかしここも秘密を共有してる二人とそれ以外のメンバーの緊張感の差があるよな。
ブチャラティのジッパーが崩れていく描写はスタンドバトルならではですね。好きな描写だけど絶望感が心に刺さる。
一度組織の中でダメになって、ただの駒となることに安らぎを見出してるアバッキオが自分を託す相手として選んでいるのだから、彼のブチャラティへの信頼は重いのだろうなと思います。そしてそんな姑的立場としてまだジョルノは認めてもらえない様子。まだなのかよ。
ミスタはこれ彼なりの気遣いってことでいいのかな。この明るさは強さだよねえ。
ナランチャの純粋さはこの重苦しい裏切りの選択の場面に暖かい印象を残してくれたように思います。追って来るナランチャを見て苦笑するブチャラティの表情がまたいいんだ。
フーゴは賢すぎたんだよな。先が見え過ぎてしまった。他の仲間が心を決める理由が、この世界に入るきっかけとなったこと、過去のことだったのに対し対照的に先のことを理由としてしまった感じ。
スクアーロ・ティッツァーノ戦
「ガッツの『G』」…なんだこの、胸に響く直球の言葉は…
トリッシュはもう少し引きずっても普通だよね。本心はどうであろうと。ジョジョの女性キャラはみんな強いというか、漫画のヒロイン特有のウザさがない所が好き。
もう何回書いてるか分かんないけど、ジョルノったら肝座り過ぎ…お医者さんだって治療行為とはいえ人の喉にブッ刺すのは心の準備がいるんじゃないの?
危険なのは危険なのに、展開がコントみたいになってきた。
相変わらず至近距離での仲間のピンチに気付かぬ主人公達。
前半のやられっぷりからここまで敵の心理を突いた、そして覚悟決めた戦い方すると想像できようか。ナランチャ戦いの時の度胸がすごい。
カルネ(ノトーリアスB・I・G)戦
ナランチャが飛行機の操縦についてわちゃわちゃ言ってたら立ち位置がいつのまにかボケからツッコミに。アバッキオ意外とおおざっぱというか天然なのな。
表情が憂いを帯びるようになったからか、髪型の描き方が変わったからか、この辺りからトリッシュ美人度が上がってる感じがします。
ハナ毛とか女の子と南の島へ、もジョルノが思ってる事なんだろうか。あのジョルノもこんな事考えるのかと思ううと、ちょっとホッとする。
飛行機の窓を破った際の風圧でジョルノのコロネでさえも崩れかけの中、あまり崩れてないブチャラティの髪の毛が気になる。サラサラヘアーではないのか。メットなのか。
スパイスガールが割と好き勝手喋るのは、トリッシュが自分でもよく分からないままに危険に身をさらして仲間を助けようと体が動いた事と繋がっているようで面白い。自分で気付いてない心の奥底の声、といった共通点を感じます。
リゾット戦
ジョジョは色々なシーンが知れ渡っているから、自分で読んだ時、その実物を見られた、って喜びもあるんだけど、知らずに読んでみたかったなあって思うこともあります。ボスとドッピオの関係は後者の方。でも電話の演出好きよ。
リゾットのスタンド攻撃の喰らいたく無さはジョジョの中でも1,2を争いますね。イタタタタタタ。
そんな訳でリゾット戦はあんまり戦いを直視したくはないんですが、岩に溶けこんでいるリゾットの絵は好きです。これどうやって描かれたのかな。参考になった絵とか写真とかあったんだろうか。宙で描いたら混乱しそう。
自分の体なのに、精神的にも優位に立ってるはずなのに、そのようにしたせいでピンチに陥って行くの面白いな。
ブチャラティがリゾット戦の場所に着いてからの緊張感やサスペンス具合がすごい。しかも追いつめられているのが敵の方。最初からバリバリに追いつめているのが味方というのは、典型的なパターンの逆だけど、すごく面白い。
そこからのまさかの展開。そんな…とは思うけど、エピソード自体はすごく好きです。戻れないバスとか過去の贖罪とか、ひとつひとつが切ないけど美しい。警官の彼が語る言葉には共感します。
チョコラータ・セッコ戦
ドッピオのお電話シリーズが珍しくまともかと思ったら、えっ何、ちょっとほのぼのしちゃうじゃないの。
チョコラータとセッコは実に気持ち悪い…今まで読んできて荒木先生の絵柄に慣れてきてるからまだ読めるけど、初見でこの二人出てきたらキツいわ。
ブチャラティが自分の運命を受け入れた上での戦い方を既にしてるのがね…
普段は冷静にどうすればいいか考え提案してきたジョルノが「バカな…そんなバカなッ!」とただただ目の前の真実を受け入れ難く思っているのは彼らしくないけどいいシーン。動揺するほどの信頼を寄せるジョルノの内面が分かり、その対象のブチャラティの器もうかがえる。
第5部の「傷口詰めときゃ大丈夫」な空気はなんだ…今さらだけど!痛いよ?死ぬよ?見てるこっちがヒャッってなるよ!
突如判明するジョルノの骨とか血管の詳しい知識。元医者相手だからなの?対抗心なの?
「ブしゅン☆」出してる相手と状況の相乗効果で最高に気持ち悪い効果音っすわ。
一難去ったと思ったらまたややこしい事になったな!敵もこちらもピンチとは。もどかしい。
コロッセオ到着後
もー、ブチャラティはどこまで人の事思いやれるの…本人に届かないその言葉が切ない。
旅の後も過酷な人生だったんだな…しかしそれを経てなお、そのファッションセンスはどういうこったよポルナレフ。
「過去はバラバラにしてやっても石の下からはい出てくる」という台詞は母親のこととか、自分の顔がバレた石柱とも掛けてあるんだろうか。
ラスボスとの戦いを左右するのが第3者(人じゃないけど)とか思い切ってるなあ。それを手に入れることにおいてラスボスも味方も同じスタートラインから、というのがまた面白い。
そしてこの緊迫した状況で入れ替わりとか楽しそうな事件が!もうちょっとのんびりした時にフルメンバーで見てみたかった。警戒するミスタINトリッシュのカッコよさったら。
あれここにきて主人公達のプロフィールが。荒木先生の「えっそこ?」みたいな細かい指定された好き嫌いや性格の設定読むの好きです。ナランチャで言うと「冬の朝の革靴のコツコツという音」とか。こういうパッと思いつかないような設定読むと、自分はどうかなとか思いめぐらせるスイッチが入れられる感じ。
ワキガ発覚でパニックになってるトリッシュがここまでで一番打ち解けてるように見えるのがなんだかな。
ピストルズのパワーアップが合体してでかくなるとかじゃなくてよかった。
ジョジョの広まってるネタバレって色々あるけど、ミスタのプロフィールの好きな映画はそういう話題にされてない割に結構衝撃でしたよ!?あと、寝てる時ギターの練習する隣人はミスタでなくたって誰だって嫌いだよね。同情。
「急にあっけなく」とは聞いていたけど、こんな突然とは。ネタバレ知っててもショックでした。でもその衝撃的な見せ方も、その後のジョルノの美しい悼み方も、絵としては素晴らしい。
文庫版第5部9巻のスケッチってやたら目がキラキラしてるのがあって気になる。ボスとジョルノ女の子みたい。
ゴールドエクスペリエンスレクイエムの存在自体は知っていたのに、ここまでの攻防で矢を手に入れる者がどう転ぶか分からないほど二転三転していたので、その場面が来た時むしろ「あっ、本当になるんだ」と思いました。
終わりが見えてる状態で、まとめて一気に読んでる状態でも、このラスボス戦はどうなんのどういう方向に行くの最終戦なのと揺さぶられたのに、週刊で読んでた人はかなり戸惑ったんじゃないだろうか。スタンドは絡むけれど直接バトルするわけでないし、独特だよなあ。
ジョルノは最初から完成されてる感じだけども、「真実から出た『誠の行動』は決して滅びはしない」という台詞はこのメンバーで旅をして一緒に戦ってきたからこそですよね。
そしてそれがボスの生き方の対として示され、ボスを真実にたどり着くことが出来ない場所へ連れて行ってしまう。第5部は色々正統派から離れた描写が多いけど、旅で得た経験を糧に、それを体現した技とし、主人公がラスボスの信念を打ち砕くという点については、ものすごく正統派でしたね。
眠れる奴隷
最初このラストエピソードの「眠れる奴隷」読んだ時は戸惑いました。でも読み返してみるとこの話があるおかげで第5部の余韻が一段と深まって好きになりました。
運命と、人がそれをどう受け止め、あるいは立ち向かうかを描いてあるエピソードで、第5部のテーマがかなりストレートに出ているため、なるほど最後にしか持ってこれないようなエピソードだと感じました。
時系列としては第5部開始直前の話であり、また第5部全体のテーマが描かれているので、自然と思いが第5部のスタートへ、そしてそこからここまでへと巡らされるようにも思いました。そうなることで第5部の印象が一段と読者の中で深まっていくような気もします。
でもそれにしても思い切った構成だよなあ。スタンド自体が話の中心でない事で第5部はそれまでとは違うなと、始まりの時思いましたが、終わりもこれまた変わっていた。これリアルタイムでジャンプ読んでた人達がどういう反応だったのか知りたいな。びっくりするよね。
最後、ボス戦後に場面が戻った時、ジョルノが破壊しないと決めた「矢」も運命と重ね合わせられているのかなと少し思いました。
それはそれとして、戦い終わってホッとしたのもあるのか、打ち解けあってキャッキャ言ってるトリッシュとミスタがかわいい。女子同士みたい。
個人的に匂いというのは生きてる実感に深く繋がっている要素だと思っているんですが、潔癖症のトリッシュが戦いを乗り越えてきた仲間の匂いを受け入れるというのは、生きていくたくましさがついたような描写だと思ったりしました。
最後の最後に、えっトップに?そんでトップになっても学生服ベースなの?という衝撃が。
見た目の華々しさとは裏腹に、常に暗さや重さが漂っていたような印象が第5部にはあります。でも主人公達が立ち向かって行くので、その暗さは嫌ではなかったです。第5部も面白かった。