さわやかサバイバー

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RIVER

ネットフリックスで配信中のドラマ「RIVER」の感想ツイートをまとめたものです。

 

死者が見える刑事リバー。相棒だった刑事の殺人事件を追うことは、知らなかった彼女の一面を暴いていくことでもあった。リバーと事件の中心にあるのは疎外感。誰かの疎外感が別の誰かの疎外感を生み出してしまうやるせなさが刺さる良作でした。

寝付けなかった時にクライマックス見たら、寝るどころではなくなったくらいのしんどさだったけどよいドラマでした…「勘弁してくれ、もう勘弁してくれ…!」って何度思ったことか。グロいとかではなく、なるべくしてなった悲劇を見せられるしんどさ。

 

リバーもそうであるように、このドラマの中で大きなファクターとなっているのは移民。故郷から、自分の拠り所となるものから遠く離れてしまった不安定さはリバーの個人的な過去とも重なります。

その過去や死者が見えるという異能から、リバーは社会に馴染めないままで人とも関わろうとしない変わり者になっている。しかし彼のナイーブな内面、特に相棒だったスティービーを大切に思っていたことはひしひしと感じられて、それが見ているこちらの心を掴んで離さない。

いつも悲しそうな気難しそうな顔してるけど、スティービーの軽口に笑ったり、新しい相棒と信頼関係築いていく様子は血の通った温かさを感じさせてくれるんですよね。リバーが子供や赤ちゃんに対して優しいのもすごくいい。

 

リバーに見えている死者は事件解決の手がかりを具体的に与えてはくれない。記憶や得た情報から彼が想像してるだけかもしれないとも思えるような描き方で、それがリバーの不安定感を増していました。

重苦しいドラマだけど見られてよかった。