さわやかサバイバー

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キリング・イヴ シーズン2第3話

ドラマ「キリング・イヴ」シーズン2第3話の感想です。ネタバレ含みますので続きからどうぞ。

 

 MI6にしたら出し抜かれてしまったわけですが、視聴者としてはヴィラネルがおしゃれして、コンスタンティンとまたコンビになってるの、うれしいと思ってしまうんですよね。これこれ!やっぱこれでなきゃ!と。サイコパスでこちらの予想を何度も裏切ってくるヴィラネルだけど魅力的なのは間違いなくて、彼女が元気になっていきいきしてる様子を見ると心が浮きだってしまう。ラメまぶしたマカロニネックレスとか銀色パンツとか、なんでそれ使おうと思ったの?ってアイテムを当たり前のように身にまとってバッチリ似合うヴィラネル最高でした。次回の超大きいイヤリングも素敵!

コンスタンティンとのやりとりをまた見られたのもうれしくって。冒頭のイヴとの会話からすると長くヴィラネルと付き合うリスクをコンスタンティンはちゃんと分かっている。今回も自由になるためにイヴやヴィラネルを賢く利用しただけなんでしょう。でもヴィラネルに対する親愛の情はあるんだろうな、って感じさせるキャラクターの造形が上手いんですよね。油断ならないのに親しみも感じてしまう。好意を抱くと同時に、安心できなくて気にならずにはいられない。

レイモンドは確かに腹立つやつだったけど(どこまでコンスタンティンの印象操作か分からないにしろ)ヴィラネルをいらつかせて殺されなかったところだけは大したもんだと思いました。そういうやつだいたい速攻で殺されてましたからね。

 

ヴィラネルが元通りの私を取り戻したのと対照的にイヴはどんどん居場所を失っていく様子なのが辛いです。ヴィラネルを追いたいという欲望が抑えきれず、今まで取り繕えたものすら取り繕えなくなってきている。とりわけケニーの信頼を失ってしまったのが悲しい。ケニーもかわいそうだ。普通にいい人っぽいのに母親から仲間からアクが濃い面々に囲まれてしまって…心の拠り所探しがあんなハードモードってある?

その母親のキャロリンの新たな一面には「おっ」と思わされました。頭が切れて自分のやることに迷いのない人だという印象でしたが、子供を守るためにいざとなれば離れられるくらい子供に対する愛情は慎重にしていた、って不器用なんだか独善的なんだか。しかしそんな矛盾をはらんだような行為にはケニーを大切に思う理屈抜きの感情が漏れ出しているようで、血の通った人間らしさを感じました。前回の「いつもシャキッとしていられるよう、おしりの匂いがする高価な豚プラセンタを購入している」っていうのも笑ったんだけど。イメージ保持のための代償がダサい。

 

冒頭でコンスタンティンヴィラネルに向けさせる感情をコントロールしろ、と言いましたが、イヴはまず自分の感情をコントロールしないとまずいような気がしてます。中途半端なまま走っては行き詰まる道しか見えてこないような。傍から見れば暴走気味なイヴの行動もヴィラネルを追うという面では正解なのが上手いし苦しい所だと思います。今はヴィラネルがMI6のメインターゲットではなく、イヴは立場的にも気持ち的にもそこからはみ出す踏ん切りがついてない。 

そういう意味でもピール殺しやゴーストの存在は今の所まだイヴとヴィラネルの関係をにぎやかすぐらいにしかなってない気がするんですが、今後この事件はもっと大きな影響を与えていくんでしょうか。ヴィラネルが本調子になって前哨戦は終了だと思うので、この事件のシーズン2ならではの要素になっていくのか、注目したいと思います。