原作漫画ファンによるアニメ版灼熱カバディの感想です。公式Twitterや放送時に公開されている情報以上のネタバレはしないつもりですが、ポロっと出ることがあるかもしれません。ご了承ください。
続きから第6話感想
天才・高谷のプレーが流れを握るも「結局才能か?」では終わらない。能京メンバーがもっとカバディを知っていれば、と可能性を見せる。六弦の目を通し、最もカバディを知る者、王城部長の源はなんなんだ、となった時に闘争心でなく向上心でなく、愛、って来たらやられちゃうでしょ…!
宵越のサッカーの技術も畦道が一生懸命練習したキャッチも伊達のパワーも、ある程度までは通じるんですよね。しかし追撃のルールを知っていた高谷や、カバディでの体や力の使い方を知っていた六弦に上を行かれる。逆転に次ぐ逆転の展開、漫画で知っててもドキドキしました!
前半やりたい放題かってくらい力を見せる高谷が他競技からの転向者というのが絶妙なところで。結局持って生まれたものが優れてる人間が何事においても有利になっちゃうのかよ、となりかねない危うさがある。煽ってくるわキャーキャー言われてるわでイラッとするしね!(好きな人ごめん)
しかし彼は体格に恵まれなかったにもかかわらず、なによりもカバディを愛する王城部長に上を行かれる。これをただザマミロ的展開にしてないところが好きです。
強い相手を求める桁外れの渇望が才能を押し上げていることをうかがわせる描写があり、カバディのフィールドでそんな相手を見つければ、ちゃんとカバディに向き合えば、さらに開花させる予感がある。敵がいて初めて満たされるのであれば今回の敗北だって糧にするかもしれないと思わせる。
才能が力になる現実はある。しかし真に活かすにはカバディをもっと知ってカバディの選手になる必要がある。その先には才能だけによらない力が生まれるかもしれない。六弦の回想で語られ、高谷との比較で王城部長が示した可能性は、上手くいかなかった宵越たちにも希望を与えるのですよね。
それにしたってあんな鬼の形相見せたり黒いオーラ出したりする部長の源が「愛」ってさあ…そう来る!?って驚くけど、カバディが広まっていく中で日本一になりたいと語った顔なんかも全部ひっくるめて表すと愛になるしかないのかなって納得もしちゃう。
強烈で純粋で、周囲を引き込み引き付ける、王城部長を表す想いに愛って単語を見つけたことが大勝利ですよね。
持って生まれたものの力や、その差がある現実を無視せず、その上で真摯に競技に向き合わなければ勝てないという、まったく軸の違う現実と可能性を見せてくれる灼熱カバディのバランスが私は大好きなんです。
ガツーンと王城部長の力見せつけた後で、時間調整という地味だけどこれも競技を知ってないとできないことが効果を見せるのがいい。台詞から井浦の作戦だと分かりますが、前回、同じ舞台に上がれない者として描写された彼の可能性を表す場面で、今後の変化に期待が高まります。
今回の緊迫感あふれる展開を音楽がさらに盛り上げててくれました。どれもかっこいい…!ピアノは王城部長のテーマなのかな?