テレビアニメ「オッドタクシー」のノベライズ版(涌井学著 此元和津也脚本 小学館文庫)の感想です。
アニメ全話視聴済み、最終話までのネタバレを含む感想ですのでご注意ください。
続きからネタバレ感想
※絵はクリックすると拡大します。文章のみ抜き出しています。
絵や声があってこそ面白い場面は省略しつつ、小戸川さんの心情や、「確かにそこどうなってたんだろう」と気になるところを細かく補完してくれるノベライズでした。
■柿花と小戸川
柿花周りの描写めっちゃよかったですね…二人が友達付き合い再開したエピソードとか。
アニメだと「しっかりしろー!」と思う場面が多かったけど、あの素直すぎるとも言える性格は小戸川さんにはないもので、そういうところが好ましかったんだな。
小戸川さんの症状があったから久しぶりに会った柿花に気付けたのかもしれないし、柿花のすぐ人を信じる性格があの小戸川さんとも友達付き合いできた理由かもしれない。それ単体では欠点とも言える面がかみ合って友情を育んでいたの、しみじみとしたあたたかさを感じます。
■GPS仕掛けられすぎ小戸川さん
■山本
あのもったいぶった金剛石のくだりがないぶん、不憫さだけが増しているノベライズ山本。形容詞がほぼ疲労関係って。あそこで選択間違ったのは確かなんですけど、活動初期の赤字を彼が賄っていたとか、いいプロデューサー呼ぶためにがんばったとか知ったら泣けてくる。二階堂パートで途中から呼称が「山本マネージャー」から「山本さん」になっているのも信頼関係厚くなったんだなと察せられるし。
素手でいくノベライズ山本。実際は違うのはわかっているけど、指回んないでしょ。
汚い仕事もやろうと思えばできるけど、それに耐えられる性格ではないんじゃないかな。無理でボロが出ちゃう感じ。
その結果、ノックアウトさせられて伸びてる横で、白川さんと小戸川さんのいい感じの会話が繰り広げられるなんて目に遭う山本。山本ーッ!!
■白川さん
キャー!こっちの救出方法もかっこいいー!アニメより「小戸川」呼び期間が長くて、ラブというよりマブ(ダチ)な感じが痛快でした。小戸川さんは心情描写が増えてたぶんラブも増し傾向で、切なかったりドキドキしたりニヤニヤしました。
■剛力先生
マブの中に入りたかった剛力先生かわいい…でも「一緒に笑うしかできなかった」ことの負い目もあったんだろうな。アニメの「友達だからだ」っていう真っすぐさも素敵だけど、ノベライズの理由も人間らしくて好きです。
■田中とドブ
田中目線の描写はざっくり削られてましたが、ドブの「他人にマウント取るやり方」が最後に引き金引かせたのは、短いながらも鮮やかにまとまっていて好きです。より明確にツケが回ってきたって印象が強かったですねノベライズ版。
「人の心を切開手術」相手のことはお構いなしに行使する洞察力が表現されてて、とても好き。
■二階堂
アニメと同じように彼女自身が語る形の二階堂パート。「負けず嫌い」の理由が詳しく描かれてて、さらに身近に感じました。アニメでは山本が金剛石の原石に例えてたけど、二階堂は常に「削られる」恐怖にあらがっていたのが切ない。「削られない」三矢ユキはそりゃ魅力的で脅威だった訳だわ…
■ヤノと関口
「関口の上着が少し破けている」
偽札の件で怒ってたし、まさかヤノサンが…!?
無理かな…大門兄と取っ組み合ったときかな…
IPアドレスで一発!
笑った。アニメであんなに細かく調べてたのに。