鴨居まさねさんの「君の天井は僕の床」(集英社)第1巻を読みました。
雑居ビルに事務所を構えるデザイナーの鳥田さん(トリさん)と潮田さん(ウシちゃん)
を主人公に、その周りの人々の営みを含めた日々が描いてある漫画です。
特徴的なのはトリさんは老眼が始まった42歳で、
ウシちゃんも三十路には入ってる感じ、他の人もいわゆる「いい大人」な人たちで
恋愛模様なんかも繰り広げられてる所でしょうか。
その歳だからこその、カーッと熱くなったりということもなく、
それまでの経験から「こういう時にはこうなるよね」といった諦観が
含まれているものの、それでも純情で(主に本間さんが)心地よい
恋愛話が新鮮でした。
ゆるやかに恋愛の話が流れているなかで、ご近所さんの様々な仕事の
専門的な話が読めるのも面白かったです。
はんこ屋さん、時計のベルト屋さんなどなど。選ばれてる職業もちょっと変わってます。
なんかね、「ファンタジーだなー」とは思うんです。
専門職に就いて、せかせかし過ぎずに、仕事を日常を、皆楽しみを持って営んでいる。
現実的にはなかなかそうはいかないでしょ(笑)
仕事、健康、人間関係いろんな所をギシギシいわせながら、
責め立てられながら生きてる人が多いと思うし、
だからこそ彼女達の暮らしはファンタジーだなと思うんですが、
それが「嘘くせえ」ではなくて「いいなあ」と思えるのは作者の方の力量なんでしょうね。
猫成分が多いのもよいです。フミヤさんモフりたい。