新井隆広さんの「円タクの騎士」を読みました。
といっても単行本ではなくて、ゲッサン6月号の読みきりです。
前作の「AR∀GO」(小学館 全9巻)が好きだったんですよね。
連載終了以降しばらく音沙汰が無いので淋しく思ってました。
色気のある人物や、熱血展開や、迫力あるアクションや、
おどろおどろしい雰囲気や生き物を書く事の出来る人なので、
読み切りが大正時代を舞台とすると知った時
そう来たかああピッタリじゃん!と一人鼻息荒くして興奮しました。
一円タクシーの運転手である強面の千春と、
その助手で、お客様には愛想がいいけど一筋縄ではいかない感じの
強気なマサキの二人の所に、訳ありそうなお嬢様をが乗って来て…
というような始まりの、読み切りらしくアクションと人情を中心とした爽快な話でした。
あああ、やっぱり新井先生の絵好きだなあ。
イキイキした表情とか、女性のやわらかそうな描き方とか、
キラキラした笑顔とかいいなあ。
テンション上がった千春かわいいじゃないか(笑)
座席を飛び移る絵とか、飛び降りる時の絵とか、
飛び出したタクシーの絵とか、見せ場!という時の絵も
やっぱり上手いなあ。しかしこうして書いてみるとよく飛んでる。
ただ、マサキのあそこだけは、よくネタにされる
カンフーのあれを思い出してしまった(笑)
オカルトも絡んでいた「AR∀GO」とは違い、今回はカラッと明るい話だったので
ダークな描写はなかったのですが、主人公二人の過去が
よくあるといえばよくあるけど、ワクワクせずにはいられない、
ダークなものを抱えていそうな様子である事がチラ見させられていたので
もし連載化されればそこらへんも期待できそうだなあ!とまた鼻息荒くしたり。
あの時代のあの辺もロマンよね…!
以下、ネタバレの話なので続きからどうぞ。
追われる少女を助けるデコボココンビ、という筋はスタンダードなものでしたが、
マサキに秘密があるってだけでなく、それがコンビの解消の危機と復活にも
関わってくるのがミソって感じでしょうか。
自分にはないものを再確認してコンビの大切さを見直したということでいいのかな。
鈍感じゃない、~~同士だからこそ、お嬢様もマサキの内面察して
「信頼してるくせに素直になりなさいよ」って伝えてくなったってことかな。
しかしあのマサキのキラキラしいこと!
いやーそれでも女性客捕まえられるよ!そういう需要が生まれるよ!(笑)