ユッシ・エーズラ・オールスンの「特捜部Q」シリーズを第3作目まで読みました。
最近ミステリ界でブームらしい北欧ミステリの作品です。
舞台はデンマーク、コペンハーゲンの警察に作られた未解決事件を捜査する部署。
予算獲得のために名目だけ必要とされるような部署なのでまともな人員がいません。
過去自分の身に降りかかった事件を引きずる、ひねくれ者の刑事、
明るいムードメーカーだけど謎の多すぎるシリア系助手、
途中から加わる我が道を行き過ぎる女性助手、
アクの強い彼らがあちこちぶつかりながら捜査をしていきます。
欧米の地名人名もあらかた馴染みになったと思っていたんですが、
デンマークはまだまだ未知の場所でしたね。
その人男性なの女性なの?「そんな古臭い名前」とか言われても分かんないよ!
ってことがたびたび。地名もスッとは入って来にくいものも。「アレレズ」って言いにくい。
そんなひっかかりもありながら
先が気になって気になって読み進めてしまう面白さでした。
第1作目は交互に語られる過去と現在の描写がいつ交わるのか、
第3作目は巧妙に隠され続けてきた犯罪にどう近づいていくのか、
「もうちょっとだけもうちょっとだけ」と思いながら夜ふかししてしまいました。
第2作目は登場人物に下衆が多くてちょっと読み進めるのが辛かった…
でも下衆は下衆で読ませてしまう人物描写の上手さがあるんだよなあ。
特に第3作目は物語の各パーツがそれぞれ興味深くてどれも気になって
それらがカチリカチリと少しずつ嵌って結末へ流れていく様子に
やめられないとまらない状態に。
第3作目の犯人は人知れず己の願望を満たすための犯罪を行う
頭の良さと行動力があり、なおかつ、
日常生活は人当たりの良い人物を演じ続けている人間で、
今友人に漫画のジョジョ借りて読んでるからか、
第4部の吉良とちょっとイメージが被りました。
途中結構きつい描写があったり、いい人が救われてハッピーエンド、みたいには
ならないので、1作読んだら少し期間を開けたくなるパンチがあるんですが、
しばらくするとまた特捜部Qの面々に会いたくなる、そんなシリーズです。
アサドの「おしり縛りことわざシリーズ」が続くかも含めて
これからの作品も楽しみです。