少年ハリウッド 第21話メモ

少年ハリウッドの感想メモです。

第1期(第1話~第13話)視聴済み。

小説版の内容に触れることもあります。ご了承ください。

 

 

「神は自らの言葉で語るのか」

 

冒頭のカケルとお母さんの玄関先のやりとり大好き。

思春期だ、親の愛情表現がこそばゆい思春期だ!

カケルの「えぇ~?」がかわいすぎんよー!

まあ、単にそれだけでは片づけられない問題もカケルは抱えているのですが…

 

第16話で人は誰かの気持ちに応えながら自分を作っている、

「自分になり続けていくことはなかなか大変だ

 でも、時々それが本当に楽しいことだってある」と語っていたカケル。

この時は、いつか握手できなくなるくらい手の届かない存在になってほしいという

ファンの願いから未来の指針をひとつ手に入れることができたようでした。

しかしセンターという、より人の注目を浴び様々な思いを投影される立場に立ったことで、

その大きさと自分の思う自分とのギャップに悩むこととなります。

 

シュンがかつて耳触りのいい「世界的な歌手になる」という希望の陰に隠れていた

「モテたい」という正直な気持ちに気付いたことが

今度は「自分はこんなもんなのに大層な夢抱くのなんて恥ずかしい」と

自分を枠にはめて考えてしまう方向に振れてしまったように、

ひとつの気付きや成長がプラスにばかり働くのではなく、

前進した場所での新たな悩みが生まれたり停滞したりする所がリアルであり

少年ハリウッドの面白い所でもあるなと思います。

 

 

第7話でカケルは自分の中の「自分は少年ハリウッドだ」という意識を

世界に向けて示しました。

第21話の仲間の後押しで問題を乗り越える展開やハードルを飛び越える時の画面は

第7話を思い出させるものでした。

しかし第21話では発信した結果、返って来たイメージを受け止める側になっている。

その大きさに戸惑うことになる訳ですが、

自分には何もないからステージで何もできなくなると自分のことを語ったカケルの言葉は

シャチョウの指摘によって裏返り、

たくさんの想いを受け入れる懐の大きさを表す言葉となりました。

あるものないもの、投げかけられる全ての想いを自分のものとする。

あなたの言葉で語られる僕もまた僕である。

このことを表す言葉は第1話から出ていました。

「君の宇宙は僕の宇宙、僕の宇宙は君の宇宙」

カケルの自己紹介の台詞として与えられた言葉です。

カケルの自己紹介の様子と並行してハードルを越える場面が描かれるのは

ステージという場所、共に進み背中を押してくれる仲間、想いを投げかけてくれるファン

それらが全て揃った今この瞬間、

「君の宇宙は僕の宇宙、僕の宇宙は君の宇宙」を体現する

「アイドル 風見颯」が形作られていることを表しているのではないかと思いました。

この時自己紹介をするよう促すのが、かつてのセンターのマッキーっていうのがまた…

マッキー第1話でもカケルの自己紹介の前に「がんばれよ」って声かけてるんですよね…

アイドルになっていくのを目の当たりにしているという臨場感、

ハードルを越えた経験を通してそれらの感覚を身を持って自分のものとしていっているカケルの

ファンもメンバーも見ることのできないラストのあの表情を私達が見てしまうということ、

相変わらず、かけがえのない、とてつもない場面に立ち会っていると思わせてくれる作品です。

 

第21話放送のあたりで届いたBD第6巻のインタビューの内容がカケルについてのものでした。

橋口先生がカケルについて語っていることも第21話と照らし合わせると

また深く分かって面白いです。それらの中のカケルに対しての

「『少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 49-』はどういう存在か」という質問の答えが

「僕の言葉が届く世界」だったんですが、

この「僕の言葉」はシャチョウの台詞や第21話のタイトルからすると

もはやカケル本人の言葉だけを指すものではなく、

イメージを投げかけた人の言葉も含まれるってことなんだろうなあ。

 

 

第1期の頃から発表されていたキービジュアル、シャチョウが語ったアイドル論、

それらから考えるとカケルは新生少年ハリウッドのセンターに

なるべくしてなったという感じです。

しかし最初からセンターにすればよかったというものではなく、

このタイミングでしかセンターのカケルは誕生し得なかったのだろうと思います。

カケルの「からっぽ」は想いを投げかける人が居てこそ大きな入れ物になります。

しかしそうしてもらうには、少年ハリウッドを見つけてもらわねばならない。

その役目を背負っていたのが、目印となり、自分たちがここに居ると叫び続けることを

第1話でシャチョウに求められていたマッキーだったのでしょう。

役目を与えられて、居場所を得たことはマッキーを成長させました。

マッキーを目印とし、ファンに見つけてもらった少年ハリウッド

今度はカケルというより多くの想いを受け入れる器をセンターに据える。

マッキーはセンターを退いたことで新たな視点を手に入れる。

センターの交代は居場所の奪い合いではない、

互いの成長の結果であり、それぞれをさらに成長させるためのきっかけとすることができた

彼らの健やかさ、たくましさが目に眩しく映ります。

二人ともキラキラしてんぜ!