さわやかサバイバー

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GIANT KILLING 単行本第51巻感想

アジアカップUAE戦、もどかしい試合展開が続きます。予告でチラっと明かされてたあの選手の投入がどれだけ効果を発揮するか未知数だけにワクワクしますよ。

 

続きからネタバレ感想

 

 

 1点ビハインドで迎えた後半。いいところまで行くものの点には結び付きません。暑さでスタミナ削られるわ微妙な判定されるわで、そりゃイライラするわなあ。「おっ」と思ったのは岩淵の反応でした。初登場時はローテンションでなに考えてんだかわからない人だなあと思ったものだけど(懐かしいねオールスターゲーム)熱くなるやつだったのだな。江田になだめられてる様子も普段からそんな感じなんだろうなというのがうかがえてほほえましかったです。でも達海の台詞からするとやっぱりいつもは冷静な選手みたいですね。

 

 そんな中、交代選手として出てきたのは窪田!前巻で花森、椿とふしぎトリオ結成された感ありましたけど、試合でも化学反応は起きるのか、って時になんと日本がPK献上という…あるんですよねこういう嫌な流れを変えようとした矢先のダメ押しって。ちょっとの差でその後の展開が大きく変わってくるから交代のタイミング読むのって本当に難しいんだろうなと思います。

 ここで花森がイスマイールにかける言葉って、すっごくわかりにくいながらもたぶん初めて花森が椿や窪田とのサッカーに手応え感じてるって外に出した言葉じゃないかな。あいかわらず「天才たる俺」視点からしか話してないんだけど。当の椿たちには一言も言ってないんだけど。イスマールに日本語で言ったところで内容伝わってないみたいなんだけど。そういうわかりにくいところ含めて花森らしくて、いい場面なのに妙なおかしみがあります。

それなのにプレッシャーは与えたみたいでイスマイールのPK失敗、ほぼぶっつけ本番のゼロトップ布陣で椿や窪田と連携成功させて同点弾、と見事流れをひっくり返してしまったのがすごい。

 

 すでエースとして愛され、世界にもはばたかんばかりのイスマイールの勢いは随所で見せつけられてきました。同点に追いつかれたあとも体を張ったプレーを見せ、それを称えるサポーターの大歓声に呼応してさらにスケールを大きくしていくようです。

そんな場面の後にこれまた声援で椿と窪田を鼓舞する花森の姿にエースとしての年季の違いを感じました。イスマイールが花森だけをライバルとして見ている時に花森は椿と窪田に少なくても現地まで来てくれた日本サポーターとその後ろにいるもっとたくさんのサポーターのことを意識させ、その声援に見合うプレーをしようと声をかけている。応援してくれているのはいまここにいる人だけではないことを経験から知っている人間の行動だと思いました。いままでは自分ひとりが引き受けないといけないと思っていた描写がくりかえされていただけに、これから椿と窪田にもエースとしての意識を植え付けさせようとしてるのが感慨深いです。椿が持田の代わりになるほど成長する展開になったらドラマチックだろうけど、持田の存在感薄めてしまいそうだし、なによりタイプが違いすぎですしね。窪田と二人合わせて持田とは違うところが穴埋めされているんだろうなと感じられるくらいなのが絶妙だなと思いました。

 

 粘りをみせたものの限界きてるっぽい花森にかわって若手二人は試合を勝利に導けるのか。眼中にないと言ったイスマイールを一泡吹かしてほしいところですが…次巻かー!ここでかー!