さわやかサバイバー

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GIANT KILLING 単行本第62巻感想

 待ってましたの第62巻!前の巻から時間が空いたので雰囲気変わったりしてないかな、と思いましたが杞憂でした。あいかわらず臨場感のある描写に現実のサッカー観戦をしている時のようにギャーッと叫んだりウオオオとうなったりしっぱなしでした。

 

続きからネタバレ感想

 コレオグラフィにビッグフラッグ!うわーテンション上がる!きれいだし迫力あるしで見るの大好きなんですけど、観客がたくさん入ってないと成立しないから、これがある=みんなが集まる大一番って伝わってくるのもテンション上がる要因ですね。

参加してるサポーターはどうなってるのかわからないってのもあるあるで笑いました。そうなんだよね~。でも周りの人と一斉にコレオグラフィのシート掲げたりビッグフラッグの中に入ってワーッっと上に送ったりするの楽しいんですよね。

 

「しゃべりが上達しないまま いい歳になってしまったな五味」

ンッフ村越さんそういう返しするんだ?真面目な面ばかり見てきたので同い年相手にいじるようなこと言ってるのが新鮮。

村越さんの五味さんに対するコンプレックスは高校選抜のチームメイトとして出会った時から。ベンチがフレンドリーマッチくらいにしか考えてない試合でも真剣に勝とうとする闘志を持ち、それが試合の流れやその後の彼の人生を変えるほど影響力があったのを目の当たりにしたことが発端だったと明かされます。

第61巻では人情家の面がコミカルに描かれてたけど、それはどんなことにも本気で取り組めるバカでかい情熱の別の側面だったんだな。

 

だけど村越さんもいまや彼だけの「勝ちたい」思いを持てていると私は思います。五味さんのように自分が何者でもない時からどんな試合でも真剣に勝ちたいと思えるようなゼロからの情熱は彼ほどなかったかもしれない。でも責任感がある村越さんがフロントが頼りにならない時期もETUを支えてきて、それでも勝たせられなくて、その間に蓄積された「勝ちたい」「勝たせたい」は五味さんとは違う形だけど彼に匹敵するほど大きくなったのではないでしょうか。

現実ではそのまま発揮できずに終わることもたくさんあるんでしょう。達海と仲間とETU立て直して、これまでを撥ね返すように思い切りぶつけられる機会が来て本当によかった…

いま村越さんはキャプテンを譲りいち選手としてピッチに立っているわけですが、五味さんに対するコンプレックスはキャプテンとして成せたことの差にもあるし、それをひっくり返す原動力もキャプテン時代に培ったものだし、達海が来る前の時期は正直なかったほうがいいくらいの苦しさだったかもしれないけど、決して無駄にはならなかったんだな、いい形で報われたんだなと思うと胸が熱くなります。いやまだか。もうここまで来たら明確な形で報われてほしいよね!

 

 

ETUは試合開始直後から奇襲ともいえるような戦い方をとってきましたが、ギリギリゴールには至らず。動揺するどころかキッチリ対応しスイッチも入れて逆に自分たちのペースに持って行くのはまさに強豪のしたたかさ。そ、それでこそだぜ…(強がり)

奇襲でしかチャンスを作れない、というのであれば弱小チームのイチかバチかの手でしかありません。いまは自分たちの力を信じ次の策をとれるところに「本当に力が付いたんだなあ…」とジーンとしました。

湯沢→ジーノのメンタルごんぶとホットラインから伝染するごんぶとパワーだとか、椿の突破を警戒した相手守備のズレだとか、個人の力で打開するのと合わせてそれを他の選手が利用してチャンスにつなげていくような、個とチームが連動した動きがとれるようになったのが頼もしくてうれしい。しかも!ここでキーマンとなるのが村越さんですよ!そう来なくちゃ!

最後に決めるのが赤崎なのがジャイキリらしいなと思いました。村越さんが決めてもよかったと思うけどこれも中心世代交代を示唆してるのかな。「副キャプテンの自覚」とか出てきたし。それとも村越さんの見せ場はまだあるってことなの?期待してていいの?

 

その他ちょこちょこ

オマケ漫画、「似た者同士だからこそ余計強く意識してしまうのかもなあ」とは思ってたけど、そんなとこまで?以前描かれてた村越さんの奥さんの話を思い出すとさらにジワジワ来る。サッカー選手という立場の恩恵それなりにありがたく受けてきたの村越さん?

 

「何故そんなピタリと止められるんだぁーっ!!!」松ちゃん、そんな漫画みたいな。漫画だけど。プロ選手のプレー見てたらそう言いたくなるのわかるけど。笑いました。