さわやかサバイバー

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GIANT KILLING 単行本第63巻感想

 いよいよ始まった天王山鹿島戦。キックオフ直後のETUの仕掛けはいいところまで行くもゴールには繋がらず、逆に鹿島が王者らしい揺るがないプレーで盛り返す流れに。ジーノのポジションチェンジや椿の突破が目を引く中、この人がチャンス作ってくれましたミスターETU!村越さんのシュートは外れるも、赤崎が押し込みETUが先制!

というのが第62巻の流れでした。続く第63巻は!

 

続きからネタバレ感想

 杉江のファンなので離脱はつらい…!と思うと同時に、ETUを追ってきた読者としてはキャプテンのありかたを通して全体の成長や団結があらためて見えてくるのは燃えるな…!とも思ったり。誰か一人に背負わすのではなく、みんなが自分のできることを担い勝利に向かっていく、そういうメンタルになっているんですね。

物語最初の村越さんが全てを背負っていた状況、もっと前の達海に責任を負わせてしまった過去が繰り返されることはないんだな、と感慨深くなります。

村越さんは自分のことを新しい一歩を踏み出す側ではなく、過去を背負う側にしかいられない人間だがその代わり負の遺産は引き受けると言っていましたが、これも物語最初のクラブのために犠牲になっている状況とは違い、新世代の土台として生きる希望の見える言葉だと思いました。

他の選手も村越さんが受け止めてくれると思うからこそ、もうそれ以上過去へは戻らず、見たことのない未来へ安心して進めるのではないでしょうか。その心意気を一番感じているだろう黒田がやかましく感動してるのがおかしくもうれしかったです。フォーエバーて。

それはそれとして村越さんの活躍もまだ見たいですよ!前半のチャンスメイクもかっこよかったけど、やっぱり五味さんに村越スゲーなって思わせたいじゃないですか。

杉江は本当に残念だけどオマケの「自分がきっかけでみんなが怒られてしまった…」とアワワしてるのがかわいくて少し和みました。いいやつ~。

 

 

鹿島、王者として選手もコーチ陣も一枚岩で隙がないという印象でしたが、そうでもない様子…?第63巻では監督にない視点を持つ早乙女コーチがフィーチャーされ出したり、彼にもっと自分を出せと猪瀬さんがハッパかけたり。

「継承」を軸とし戦う鹿島に対し、弱小から変化したETUが本当に強くなったことを証明する構図の戦いかと思っていたんですが、鹿島サイドにも変化の必要性を描きつつETUと対比させるんですかね?

確かに長く続けることは安定をもたらす一方で体制や考えを硬くする危険もあります。ETUだっていまのいい状態を途切れさせないためには続けていきながら変わり続ける、ということが必要になっていくはずです。

深読みかもしれませんがクライマックスのこの戦いでETUが王者になるだけでなく、王者でい続ける道も示してくれるんだろうかと考えたりしました。なんか…達海いなくなるかもよ的なフリもあったし…彼がいなくてもETUは続けていけるぜ的なラストの可能性もあるのかもとか…イヤッいなくならないで!

 

 

鹿島が巧みな試合コントロールで同点に追いつき、杉江負傷のタイミングも悪く前半終了間際に鹿島が追加点というETUにはかなり苦しい展開に。

しかしハーフタイム、達海と村越さんの言葉をきっかけに闘志を再び燃やしたメンバーにこちらもヨシヨシここからここから!椿もやる気みなぎってるしね!と読んでたらサリバン?いきなり懐かしい名前が。(55~56巻読み返し中)ああ!オーストラリアのキャプテンの!あっ確かに五味に似てるって言われてる!はいはい!そんで椿の…椿のトラウマの………でしたね………

その相手思い出して、そんな顔できるようになったの椿…!内弁慶岩淵が覚醒の予告されてますがその表情見たらそれ以上の活躍期待するよ椿!いいよね!?