さわやかサバイバー

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バンオウ-盤王- 第1巻感想

twitterに上げたバンオウ-盤王-の感想をまとめたものです。

途中から感想を書き始めたので第1巻分は飛んでいる話数があります。あと作品の方向をまだつかめてなくて若干フワフワしてます。

 

続きからネタバレ感想

第4話くらいまで

 バンオウ面白いです。連載初回から「ウワーッ面白いー!主人公好きだ!イヤッでも試合内容とか将棋ならではの部分が発揮されるまでは様子見だっ…!」と踏みとどまろうとするたびに人間ドラマのハチャメチャな面白さで「ウワーッ面白いー!!」ってなってる感じです。

ごめんえらそうで。なんか変にストッパーがかかってしまうことありますよね。まだハマってるわけじゃないんだからね!みたいな心情になるというか。逆に将棋をからめた上でドラマが盛り上がればもう最強なので期待してます。

 

人間ドラマと言ってますが主人公は吸血鬼です。長い生に飽きていたところに将棋と出会い魅了され、凡才ではあるが人間には不可能な経験値の積み重ねでひたすら腕を磨いてきた。正体がバレるのを避け大会には出てこなかった彼に転機が訪れる…というあらすじ。

 

将棋そのものにも勝負の相手にも敬意を持ち続ける主人公の姿勢がまぶしいんですよ…こちとら人間ですけど趣味などどこかの界隈に所属してたらどうしたって他人と比べて腐ったりへこんだりすることあるじゃないですか。

ネットが発達して匿名で力を試す場所ができたとはいえ、それまで賞賛で報われることも少なく、成長を自分で感じることだけがやりがいのような状況だったにもかかわらず、ずっと積み上げてこれたことがすごい。

どんどん出てくる強い棋士にも「20年かそこらでここまでできるのか!」と素直に驚き敬意を表すし、こんなに長く続けててもやっぱり将棋面白いなーみたいなこと言うし、どうしてそんなにまっすぐでいられるの…

特殊な状況ゆえにためこんだエネルギーはあるのだけれど「力を見せつけてやる」みたいなことではなくて、ただ全力で戦える機会がやっと来たことに対するよろこびの発露であるのがすがすがしいです。

いやなるって!少しでも長くなにかやってたら「がんばってきた私の正しさすごさを世に認めさせたい」みたいなルサンチマン沼が発生するって!だけどそんな主人公の姿勢をきれいごとと感じさせず、応援したくなるように描かれてるのが上手いんですよね…

 

主人公もだけどほかの登場人物もいい人ばかりで読んでてニコニコしちゃう。みんな予想より二段階はいい人なんですよ。

 

第6話 昼下がりの吸血鬼

 顔と言葉はおどろおどろしいけど実際やってんのは「お天気最悪だけど友達の試合応援に行きたいな…いっちゃお!」な鈴木さんのギャップな。あんな悪夢みたいな柄のスリッパ履いててそれか。ラブ…

将棋要素をどう扱うかでまた評価が変わるだろうなと思っているのですが、ネウロが「推理ものの形式を借りた多方向はちゃめちゃ面白エンタメ」だったように、このまま試合の詳細は描かずに「将棋ものの形式を借りた多方向はちゃめちゃ面白エンタメ」になる可能性がある…?