さわやかサバイバー

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灼熱カバディ 単行本第21巻感想

twitterに上げた灼熱カバディの感想をまとめたものです。

  

続きから第21巻ネタバレ感想

 

第202話

 「地獄行きか」
物事がよく見えて、面倒くさがりで、だからこの先に待つ困難もわずらわしさもわかっているのに、それより「まだこの先に行ける」希望と「行きたい」願望が勝ってしまった山田から出てくるのはこれしかないって言葉だ…

 

胸がいっぱいになる回(よくある)は大体叫んで終わりにしたくなるんだけど、今回も「山田ーっ!山田ぁーーーっ!!」でええやろ…という気持ちになりました。もうちょっと書きますが。

 

未練が残っているなら続けてほしいと思っていたから、この決断自体はうれしかったけど、それを100%喜びとして描かないのが灼カバだなあ。言葉と感情には矛盾があって、なによりも表情がそれを伝えている。

辞めても辞めなくても割り切れない道で、自分の心に添うほうを選択したからこそ、ままならない現実を生きる読者の心にも残るし、応援したくなるのだと思います。

イデアが枯渇するんじゃないか、って恐怖は漫画家でも当てはまりそうで、それでも下りない姿勢は武蔵野先生自身のことも投影されてるのかなと少し思ったり。

「俺についてこい!」の台詞は今回冒頭と中盤で繰り返されています。そして中盤に描かれた背中からのポーズは最後のコマとよく似ている。山田から無邪気に発せられた「ついてこい」、それを受け取ってきた仲間から見た「ついてこい」、それらが巡り巡って山田を競技の道に戻したように見えます。

自分で自分を見切ろうとしていたのに、仲間だけでなく敵からの評価で自分に対する認識をあたらめて、望みに火を灯されていく感情の流れも合わさって熱い構成だ…

 

宵越に勝負を託す王城部長の場面もよかったですね…試合開始時に「いい思い出で終わらない」と圧をかけてたけど、辞めるなら自分が引導を渡すくらいのつもりだったんじゃないでしょうか。それすらできない、勝負させずに終わらせるのはもっと嫌だったんだろうな。

 

第203話(前編)

 山田がふっきれたのとリンクするように、楽しい場面が入るようになったのがうれしい。それでいて試合の熱さは継続されてて。押し返しという、単体では消極的ともとらえかねない選択をここまで緊迫感持って描ける?って話ですよ!

奏和戦と重ねる台詞もありましたが、ただ単に繰り返されてるわけではないんですよね。クライマックスの踏ん張りどころだった奏和戦に対して、まだ残り時間があり、この後に繋げるための奥武戦。状況が変わることで「繰り返し」ではなく「積み重ね」として活かされてる。

ひとりの人間が考えることだし同じ競技を続けてるし、展開のパターンは無限ではないと思うんです。でも武蔵野先生は登場人物たちが学んだことや関係の変化を丁寧に描かれてるから、似たように見えても常に新しい景色が現れてくるのが本当にすごい。

 

毛量対決で(毛量対決ではない)「ジャマじゃない?」「寒くない?」って急にホンワカするじゃん?かわいいね君ら…

チームの総意=しこたま説教されちゃったので
これも笑うしかないでしょ。なんて顔してんのみんな。

しかし奇策だけに頼らず、地味でも現実的に勝てる方法を状況に応じて使い分けられる山田かっこいいな。同じ押し返しでもその先に王城部長との勝負を見据えた言葉が出るようになりましたね…!

 

ヴィハーンの「ちょっと得意」で終わるのが怖いんですが、突破のきっかけとなった大歓声の内容も気になるじゃないですか…!こっちが明かされるのはだいぶ先だろうなあ。精神が股裂きの刑だわ…

 

第203話(後編)

 能京のピンチなんですけど、よかったという思いがあふれて止まらん…すまん能京。
一旦はヴィハーンを呼んだこと自体が間違いではなかったかとさえ思った山田に対する最高の返礼じゃないですか。泣く。

身体的スペックでは超一流とはいえない山田。しかし彼にはアイデアがあり実行力もあります。それらを全部含めて「プレー」だと、最高だったと、超一流のヴィハーンが認めた事実は山田もその高みにいると告げています。

体と心を救う、命の恩人といえるようなでっかい救済をプレーという言葉に集約するのも、だから自分もプレーで返すというのも、スポーツものならではの演出だなあ。
そしてコート外の行動含めプレーだと描き、選手としての強さの証明とするのは灼カバらしい。

アニメ制作時のインタビュー記事でもあったけど、選手が試合で活躍するとして、それが生まれるまでの積み重ねや過程をとても大切にされてるんですよね。だから山田の機転も行動力も、その源の友人を気遣う優しさもすべて最高のプレーを引き出した最高の選手の証。

 

以前の回想シーンでも思ったけど、格子にくくりつけられたベルト見たら山田の連絡タイミング、マジでファインプレーだったな…!ってゾッとしましたよね。本当によかった…

 

前編ラストはヴィハーンが王城部長と同じ技を使う、ということばかりに気を取られ、相手には意識が行っていませんでした。だから「てめぇ俺に何使ってんだァ!!!」の衝撃がものすごくて!

そうだよね、王城部長がカウンターを身に付けるまでの道のりを一番近くで見てたのは井浦ですもんね!「同じ技を使ってくる」重大さを伝えるには本人以上に適格だ。カウンター習得の絶望的な難しさを着々と重ねてきたから、あの冷静な井浦がという意外性がありつつも納得できる場面になってる。

ここまで部長自身やライバルたちの反応でカウンターの難易度の高さは語られましたが、井浦目線ってそんなになかったですよね?難しかったが習得した、という結果にについて話すことはあっても、過程をわざわざ明かすことはなかった。でも彼が一番見てたんだよそうだよ…

井浦の目線を通す演出方法にも、あらためて見えた王城部長と井浦の絆にもやられ、あの2ページでしばらくうめいていました。たった2ページすよ。でもこれまでの展開が最高に効いた2ページ。これが味わえるから灼カバやめらんねえ。ってこれ何回も言ってるな。

 

あ、久納コーチがハイブリッドTシャツをお召しになってる…控えめに主張してらっしゃるわ…

 

第204話(前編)

 儚げに描かれてるけど絶対それで終わらないでしょこの人…一人では勝てない事実を知ったとしても、ならなおさら後を任せられる味方ができた今は捨て身というよりむしろ本領発揮タイムにしか思えないんですが?

最強の攻撃手でありたい思いの強さはじゅうぶん知っていたつもりですが、そうは言ってもチームスポーツだから「攻撃部分においては」と割り切っていると思ってたんです。自分一人で勝たせるつもりだったとは…まだまだ認識が甘かった。

そんな我の強さを持つ人が散ること前提の捨て身で終わるはずがないと思うんですよね。点も最強の称号も試合の流れも引っ掴んで帰ってくるだろうと。

 

攻撃手・王城正人の姿を見てうれしそうな六弦、ブレないねえ。競い合い続ける関係だからこその感情ですね。冒頭の場面でも最終的な勝敗を重視する外園と、勝負にこだわる六弦の違いも、それぞれらしくていいな。

 

ところでユニフォームの上をインしたのは何かの下準備?

 

第204話(後編)

 灼カバって本当、複雑に重なり合う感情の描写が見事…最高も可哀そうもザンネンも、言葉通りの意味を含みながら、裏腹な気持ちが込められていると伝わってくる。今回はそれらの根底に「競技に没頭できるよろこび」が共通しているように見えました。

越えるべき壁が見えたという意味の「最高」は歯が立たなかったふがいなさから発せられて、あきらめられない「可哀そう」な奴は気の遠くなるような道を歩み続ける力を持っている。負けて悔しい「ザンネン」は、これからも同じ道で競い合っていける楽しさと共にある。

裏腹な言葉といえば「地獄行きか」もそうでしたね…

 

インドとの圧倒的な力の差を味わったことも、自分が決して才能に恵まれてないと知ってることも同じなのに、山田が到底無理だとあきらめかけた道をゴリゴリ進んじゃう王城部長の姿が与える影響ってひときわ大きいんだろうな。

あきらめるという言葉の語源のように、力の差があきらかに見えたからこそあきらめると一旦は決めたのに、見えてなおかつ、あきらめない奴が側にいたっていうね。

 

ヴィハーンの「これが本物の…」に続く言葉はなんだろう。それまでの展開で「与えられた才能が全てを決めるのではない」と描いているから「天才」ではなさそうです。才能も困難も関係なく、競技を楽しめる人。そんな言葉が入るような気がします。

いまはヴィハーンもそこに立ち返ってくれてうれしい。というか回り道の末、螺旋階段のように同じ場所のひとつ上にたどり着いてその先へ行こうとしている、というほうが近いかな。青空と天井、これまで彼の心情描写で出てきた場面を思い出しますね。

 

王城部長のすごさを表すために相手を下手に描くのではないところが好きです。事前に対策し、それを上回られてもすぐに脇を閉める反応をした山田も、最後まで追ってくるヴィハーンも、こちらの予想を超えたプレーをしてくれました。

ライバルたちをちゃんと強い選手と描いてくれるのは、大切にしてくれていると感じられてうれしいし、それを超える部長のインパクトがさらに上乗せされるから、いいことづくしですよね。
ユニフォームをインしたのはすり抜けを確実にするためだったのね。

 

イメージシーンで王城部長とヴィハーンが国代表のユニフォーム着てる一コマが入るの、いいなあ。それ着た二人が再び戦う場面が見たいです。

 

第205話(前編)

 未来から回想する形になってドキドキしたけど、二人ともすごく「らしい」姿で、なにより楽しそうだったのが本当によかった…
長く現役を続けるには日々の衰えと正直に向き合う必要がある。幻想ではなく実力と向き合う力が彼をあそこまで歩ませたんですね。

体がピークの頃のイメージを抱えたままでは現実とのギャップが出てくる。ケアする部分は増えるし、衰える能力を他で補っていかなければならない。今の自分を知り、アイデアをどんどん出せる山田なら乗り越えることができるだろうって、すごく納得できます。

しかしそれらをどれほど重ね続けたんだろう。コンタクトの激しい競技で最年長って本当に尊敬します。
いい感じに歳を重ねてるなー山田。水堀さんに雰囲気似てるかも。後輩をガンガン引っ張っていってそうなところも似てる。

 

自信を失ったときに絶望と共に吐き出された「夢も見れねぇ」が、現実を生きる覚悟と実感からくる言葉に変わっていたのもうれしかったです。奥武戦は言葉のリフレイン演出が刺さる対戦でした。

「楽しむ」を選択した彼らが得たものを描きつつも、「型も基礎も大事」とちゃんと言ったり、「酔ってた」と客観的に振り返らせるのもいいな。試合前には「それが一番大事だろ」と山田に言わせているように、気持ちを大事に描きつつも、それさえあればいいとしないところが好きです。

 


ところで後輩の8番さん!?リーグ優勝してる8番さん!?ちょあい!ヘイ!マジかーッ!!

みんなの将来は想像しないようにしてるというか、どの道を選んでも幸せでいてくれたらいいと思ってるんですが、いざお出しされると自分の想像範囲より大きいこと成し遂げててビックリしました。すごい、すごいな…

大丈夫!六弦も見えてるよ!でも六弦は性格的にもまっすぐ行けるところまでは行くだろうという気がしていたので意外ではなかったです。

海外にまで行って、厳しいプロの世界に挑戦するにはハングリー精神というか、ある意味ガツガツしたところがないと駄目だと思ってるんですが、他でもない佐倉くんがそういうたくましさを身に付けていたことにあらためて驚きました。

はー、そうか…言葉とか大丈夫だった?勉強したの?まあ人当たりはいいし、にっこりすればみんな笑顔にとろけるから親切にしてもらえるよね(ファンの欲目)

 

第205話(後編)

 王城部長初めて見る顔してる…!魔王になってないのにあんなに怒ってるの初めて見た。ヒー!ヒー!こめかみに青筋まで立ててるし!元凶の山田が袋叩きにされたり(味方から)笑わせられた回だったんですが、ついに因縁の対決が来ちゃったよ…!

橋本は試合でもしなかったようないい顔して…ヤンキー漫画界から来たかのようなしっくり感。

そんで試合も終わった後に「駿君」呼びとかブッ込むのやめてもらえます!?たった2コマで平熱野郎が秘めてた熱い思いご開示されたよ?「あの」冬居が山田のために自分自身ではさほど目指していたとは思えないプロにまでなるつもりだったとか、ちょっと!?ねえちょっと!?

 

井浦の「何かあったら相談」それ裏社会の人間が言ってくるやばいやつじゃん。実際に頼ったらあらゆる方面で何倍もリスクが返ってくるやつじゃん。嘘つきメガネとかカワイイあだ名つけてる場合じゃないと思う。

 

高谷ファンクラブの子たち、おめでとうバージョンの横断幕まで用意してくれてたんですね。いい子たちだ。号泣するくらい感動してるし、もうすっかりカバディのファンでもあるよね。

 

心臓に毛は生えてるし、フィジカルもオバケだった宵越に暗雲が?英峰は夏合宿で初めてと言ってもいいくらメンタル深くへこまされた相手なだけに、今度は身体方面でトラブル起こるとかは無しでお願いしたいんですが…

 

その英峰ですが、神畑さん!読者のほうがシュールな例えからの本気モード切り替えが間に合いません!温度差ありすぎる!
制限体重増えたらベビー神畑ひとりを背負って戦えるようになるってことだなこえーよ。

途中で情報は入ってきてたけど星海がすんなり勝たせてくれるはずもないので、実際はなにがどうなっているのか知りたくてソワソワします。

英峰が打倒星海に掛ける想いはこれでもかというくらい描かれてきたので報われてほしいのですが、それは星海が絶対王者でなくなることでもあります。詳細を隠し、謎の王者であり続けた星海の牙城を崩す役目を主人公たちじゃなくライバルにやらせるか?というメタな疑問を持つ自分も、英峰ならふさわしいだろがよ!って暴れる自分も両方いるんですよね。

 

第206話(前編)

 対戦カードなみに応援席の顔ぶれも見逃せないな!?亜川監督(もうレギュラーじゃんね?)と緒方くんという、話合いそうだしいい解説してくれそう、な堅実メンバーに投入される恋は盲目特急実花ちゃん!どうなるんだと思ったら意外となじむの早い!

+メガネさんの撮影替わってくれようとした奏和の人。あれから撮影班として定着したのかな。

実花ちゃんはさ、水澄の心に響く一言が言えたり、今回もこれ以上ないくらい良解説陣を見つけたり、見る目はあると思うんだ。ただその先が「相手の気持ちになって考える」ルートに連結されてないんだよな…今回はカバディ以外は気にしないオタクたち相手でよかったね。よかったのか?

 

亜川監督と実花ちゃんがそろって緒方くんのスマホ覗き込んでるのかわいい。そして水澄命の実花ちゃん発言から発生する勘違い。監督そんなあざといキャラになってどうするつもりなんですか。

水澄本人とは関わってないのに、お母さんとか実花ちゃんとか、周囲の人とどんどん繋がりができていくな亜川監督。行く行くはファミリーになるの?相関図でなぜか水澄の近くに配置されたりするの?

 

我が道を行きすぎなのはいよいよ対戦が始まる不破もなんですが、不破それはアカン…!まだ彼についてはよくわからないけど、自分が進むべき道以外のことは目に入らないって感じなのかな。

武蔵野先生のことだからいい感じにひっくり返してくれるか、肉付けされて好きにならずにいられないような厚みを持たせてくれると思っているのですが、いまは神畑に同調しちゃうよねえ!結果でぶん殴って振り向かせてやって!

 

第206話(後編)

 試合開始すぐ分析、修正していくのが強豪同士の対戦って感じですね!特に英峰はあれだけ闘志をみなぎらせていながら冷静に判断できるのがさすが。一方星海は秒数計測などの狙いがわからなくて不気味だ…

英峰は相手がどんな攻撃して来ようと対応してやるぞという姿勢なのに対し、星海は相手の対応すら自分たちのシナリオの範囲内で、その誤差を修正するだけ、みたいな雰囲気を感じます。なんだろう、英峰は星海を相手に戦っているのに、星海の相手は英峰ではなく、どれだけ計画通りに運べるか、自分たち自身と戦っているとでもいうような。

王者だからそうせざるを得ないのかも、というのは理解できるんですが、それは試合開始前の神畑が眼中に入ってない不破の態度とも似ていて、モヤモヤしてしまいます。ちゃんと向き合って!って気持ちになる。

 

実花ちゃんバレエ方面の解説要員だったか!そっか新体操やってるんだったね。私がボーッと読んでるだけなのもあるんですが、こういう「すでに描かれていたのに繋がるとは気づかなかった共通点」で驚かされるんですよね灼カバは。そしてそれやられると評価上がっちゃうんだ私は。

お兄ちゃんの情報も今後実花ちゃんから出てくるだろうし、きょうだいとは知らない亜川監督がそれ聞いてまた勘違いしてほしいじゃないですか。
ひりつく試合と意外な組み合わせがしっくり来ている応援席、同時進行してるの面白いな。

 

第207話(前編)

 この空間入りたくねえ…攻める方も守る方も隙がなくて崩れることが想像できない緊張感。熱くなるというよりは息が詰まるようなレベルの高さです。うえぇこれどこか穴開くことあるの?

やった!でも、やられた!でも、プハッて息吐くじゃないですか。ひとつのプレーに対して攻守どちらも対応が続くから切れ目なくて、息止めて見守るしかできないんですよこの回。もうやだ最初から怖い。

 

たとえばサッカーだと自分たちより上位の相手でも前半は厳しい守備ってできること多いんです。早め早めの守備を心掛けて攻撃の起点を潰すとか。でもそれは無理をしてるから可能な戦い方で、集中力や体力が尽きてしまえば続けられない。

星海の守備のなにが怖いって無理してなさそうなんですよね。亜川監督が解説してるように基礎レベルが高くて、点取られてもガタつかない。体格見てもスタミナ切れもしなさそうだし、これどうやって攻略すんの…

あるとすれば精神面が揺さぶられて、とかなのかなあ。これもいまは想像できないんですけど。志場がロールキック予想できてなかったり、冴木の読みを上回ってボーナスが成功したりとか、なにもかもが通用しないわけではないけど、リカバリーできちゃうんですよね星海。

とはいえそれは守備の話で、全員が優秀な攻撃手といっても守備のように全体でリカバリーができるわけでなし、さすがに個人個人のアンバランスさは出るだろうし、英峰がそれを見逃すとも思えないので、そこから攻略の糸口掴んでいってほしいんですけど!

 

他の選手の時は真顔なのにお兄ちゃんがいいプレーをするとうれしそうな実花ちゃんかわいいね。

顔と言えば本田さんですよ。基本が変わらねえのが怖いっていう。いいっすね…どこから戦闘モードなのかわからない、むしろ常にそうなのかっていう不気味さが出たよね…いい…

 

第207話(後編)

 違う漫画になった…前回まで緊張感でキリキリしながら読んでたのに!初めてスポットライトが当たった平良、なんか、なんかジャンルが違う…!

「おっ、亜川監督と同系列のキャラかな?造形も似てるし、追いつけなかった神畑を執念深く追ってるタイプ?なんだかんだ戦いの後は意外とかわいくなっちゃう?」とかね、メタいことも考えつつ読んでたんですよ。

意外性出てくるの早えーよ!!そんで予想外すぎるだろその方向は!!リアルで「えっ」って言っちゃったよ。わりと低音で言っちゃったよ。「ありがとう…!!」で〆るなよ。収入の情報聞いて何を超えていくつもりなんだよ。

 

いやまあ、執念深く追ってるのは追ってるのか。ただキツさを喜びにしてるわけじゃなくて、超えていくことを望んで努力を重ねて、実際強豪校でスタメンやってるからたいした選手なんだけど…だけど…

「どんな試練も自分を成長させてくれる糧とする」「与えてくれる相手に感謝を忘れない」やめろ私、佐倉くんと共通点を見出すんじゃない。一緒にするのは危険だ…!佐倉くんはあれだ、悦ってないだろ!そうだろ!

 

八代が絡んでいくときって常識人に常識的なツッコミされるの前提だと思ってたんですよ。若菜とか。さらにボケを重ねていく平良との組み合わせ、新しいな…

 

止められなかったけど若菜、りりしい表情でかっこよかったっすね。ごめん、ついでみたいな言い方になったけど他の部分のインパクトが強すぎたんだ。

 

第208話(前編)

 ああ!拍の「表と裏」か!他競技からとか、ネタの引き出しが多彩で毎回驚かされます。まっすぐな性格の若菜が軸をずらした戦法を取ってくるのも意外で、こんな貪欲さがあったのかというのもうれしい驚き。

合同合宿の紅葉戦で結局自分の武器は速さだと、それを突き詰めるモノローグがありましたし。でも読み返してみたら、より効果的にするためにストップ&ゴーで緩急作ったり工夫してましたね。これまでの流れを見ると、驚きつつもやっぱり納得できるからすごい。

 

以前テレビ番組で武道の達人がバンドでドラマーもされてるという話をされてて、武道でも音楽でもリズムを把握するのが大事なのは共通してると言われてたんですね。

ヒロが王城部長のカウンターは武道に近いと言っていたけど、あれも呼吸という無意識のリズムの隙を突く、パターンを崩す技だから対処が難しいんじゃないでしょうか。

素人考えでは一瞬で拍の裏表を変えるのも相当難しいんじゃないかと思うんですが、おそらく公式戦で初披露、しかも最強の敵相手に成功させちゃう若菜カッコいいな!若菜のことだから相当真面目にがんばったんだろうなというのも想像できるし。

 

第208話(後編)

 ってえことはよ?サブタイの「表裏」は拍の話だけじゃなくて、表裏がない本田さんの素がアレってのが一番怖いだとか、いかにも裏がありそうな冴木の「やめといた方がいい」はわりとストレートな忠告だった、って意味も含まれてたってことかい?
ふざけた口調で本田さんの恐怖を紛らわそうと試みています。ダメ無理!怖い!若菜は怪我しなくてよかった!けど怖い!

 

乱暴だとか、わかりやすい荒っぽさじゃないところがゾワッとするんですよね。殺すなら殺されることもあるだろう、その点についてはみんな平等だ!と割り切ってる。殺伐とした陽気さ、とでもいうような。

フェアでいい人なんだけど、価値基準が違ったね、って気付かされちゃったよね。いい人(修羅の国基準)か?
今回でじゅうぶんに味わわせてもらったんですけど、攻撃もすんの本田さん…いやあの、楽しみです…ハイ…

 

陰陽で言ったら、陰かと思った平良が癒し枠で陽かと思った本田さんが恐怖だった。予想当たらなくて楽しい。