さわやかサバイバー

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灼熱カバディ 単行本第22巻感想

twitterに上げた灼熱カバディの感想をまとめたものです。

  

続きから第22巻ネタバレ感想

 

第209話(前編)

 本田の思考回路がああなってる理由の一端が明かされましたが、わかったからといって怖さは変わらないのだった。彼は彼の思うよりよい生き方をしようとしてるだけなんだよな…

想像なので見当違いかもしれないんですが、お父さんの言葉を検証というか、身をもって確かめようとしてる最中なのかも、と思いました。

どのくらいの年齢の時に亡くなったのかは不明なものの、友達の抗議にはすぐ謝ってて柔軟な対応をしていることから、お父さんの考えが絶対と刷り込まれている訳ではなさそうです。

しかしあの傾倒っぷりから、父は父、自分は自分と割り切っているとも思えない。お父さんのことは好きで、でも結局命を落としたという結果に、残された彼は寂しさや理不尽さも感じてて、自分の身で体験することで自分を納得させようとしてるのかな、と。

その常軌を逸したのめり込み具合を表してるのがあの顔のデザインなのかな、とも。ふつうに血筋だったらごめん。

 

ちゃんと英峰の分析してるし、今回だけなら平良、普通の選手に見えるな…サブタイトルの「機械」からすると、この後は英峰に焦点が当たるんでしょうか?執念と練習のたまものかと思っていた英峰の守備ですが、平良の思わせぶりな言葉もあって、それ以上のものが含まれてる予感がします。

 

また人気投票があればキリリチワワ氏もエントリーしていいところまで行ってほしい。

 

第209話(後編)

 いまを精一杯生きる、と言えば聞こえはいいけど、明日の自分を考えてない感じなんですよね本田。過去の悔しさをバネにしてる神畑とは生き方の基準となる時間の概念が違うんじゃないかな。尋常じゃなく自分を追い込める人同士の面白い対比だ。

明日自分は生きているか分からない。だから今日行けるところまで行こう、とするのが本田。残る筋肉の痛みとか、きつい練習がずっと続くのかも、なんて未来に向けた恐れは彼の足かせにならない。明日を考えていないから。もし生き抜けたらもっと強い自分になれるだろう、くらいのビジョン。

対して万年二位と言われた悔しさを撥ね返す未来を求めてきたのが神畑で、もし本田に敗北感を味わわすことができれば、ひょっとしたら彼に未来を考えさせることになるのかもしれないな、と思っています。

若菜とやり合った時みたいな、殺すなら殺されることもあるだろう、みたいな異様な割り切りって、自分も相手も明日に続くことを考えに入れてないところから来てるような気がします。割り切れない、残っていく悔しさというものを自分の中に感じたら、どう変わるんだろう。

 

こういうの考えるのは楽しいけど、なんの根拠もなく思い巡らしてるだけなので、全くの見当違いでも(よくある)許してください!
ひとまずは今回最後の智将vs智将の読み合いがどう転ぶかが楽しみ。

 

第210話

 共通点と相違点が折り重なり、これまで特に接触がなかった神畑と早乙女の関係がこの1回で築かれていくの、手練れの技ですわ…
そして最後に本田の言葉を引き合いに出して真顔で嫌味言う神畑な。君そういうとこあるよな。

「まあ最後にはこっちが勝っていい気分で美味い飯食いますけど?」って。積年の悔しさはともかく、表面的には冷静に淡々とこなしてるようで、わりとその場その場のノリに乗ってくれるよね。試合前の更衣室のやりとりとか。どこまで自覚的にやってるのか掴めないところもまた魅力。

内心(「今回はちゃんとウケた…」)とか思ってたらかわいい。けど読めない。

 

繰り返しになるけど、武蔵野先生はホント1回で関係築いちゃう達人ですよね。でもそれが腑に落ちるのはきちんと下準備がされてるから。早乙女が昔からスタメンではなかったのも、神畑が小さいころから大きかったのも(ややこしい)これまでに描かれているもんなあ。

 

初登場時は暴れん坊の印象しかなかった早乙女が、いらつきの理由を知れば見方が変わってしまうのも上手くて。もう何回灼カバの登場人物は見た目通りじゃないって学べば気がすむんだろう。みんなどこかしら切なさ抱えてるんですよね。だからみんな目が離せなくなってしまう。

早乙女が体が大きくなかったから強くなるために技術を身に付けようと努力するタイプだったのも意外性のひとつだけど、それ単体では終わらなくて、そうして身に付けた技術で今回神畑を追い詰めた事実が、神畑の言葉の裏付けとなって上から目線で諭しただけではないと感じさせてくれるし、さらには神畑がそう思えるようになるまで自分でもどれだけ葛藤を重ねたのか想像できます。

意外性ひとつでもドラマになるけど、絡まって影響与え合うから複雑で忘れられない味になるんですよね。たった1回でですよ…すっげ…

 

今回の早乙女の努力と葛藤見たら、実花ちゃんがお兄ちゃん尊敬するのも、カバディやってる人かっこいいって思うのも納得ですね。学校違うし、ずっと見てたわけじゃないだろうけど、たった3年であれだけ自分を変えられる様子知ってたらそう思うよね。

 

第211話(前編)

 ただの嫌味じゃなかった!神畑には「美味い飯」の具体的な約束があったのか。飯というワードひとつで複数の登場人物の過去やひととなりを紐解いていくの、面白いです。

ほぼ一般的な英峰の生徒であろう秋山の視点を投入することで、それぞれの違いがまた際立ってましたね。この瞬間持てる力を「いま」に全て投入する本田。未来のために力を効率的に振り分ける英峰。

しかし英峰の中でも神畑は勝利のために振り分けられる量が大きく違う。限度を越えるような無茶はしない。限界を見極めてじりじりと広げていくような、あくまで理性的な力のかけ方だけど、たったひとつの勝利のためにそこまで追い込める人はなかなかいない。

それを支えているのがとてつもない執念という、理性とはかけ離れた感情なのも面白いところで。部員に対しては闘志という形で表してて、部員も汲み取っているけど、それだけじゃないドロドロとした感情の渦を察していて、だからこそ支えたくなるんじゃないかと思います。

 

ラーメン屋にみんなで行ってみたいな、って言うんですよね神畑…人一倍節制してるのは他でもない自分だっていうのに。みんなでって。いい子…なあまりフラグ立ててるー!?エッここ笑っていいとこ?真面目すぎて天然さんなところあるからもうー!そういうとこ含め報われてほしい…!

そういや紅葉のみんな「腹減ったなー」ってラーメン食べに行ってたな…私保護者でもなんでもないけど、なんかごめんな神畑

 

第211話(後編)

 過去未来といま、重さと軽さ、みんなとひとり、いろんな対比で見せてくれる英峰vs本田。神畑ひとりの重さを手放して相手を浮かせる戦法を取れたのは、英峰のみんなで重さを分かち合っている証に見えました。

ひとりでは「軽い」と言われた若菜が反撃の口火を切り、英峰みんなの力で本田を止め、本田ひとりの軽さを味わわせる決着も憎い。しかも腕って若菜が攻撃した際に本田に止められて怪我しかねなかった部位ですよ。ガッツがすごい。けど、くれぐれも怪我はしないで…

 

なに混ざろうとしてんの!?今しがた自分倒した相手の輪に入ろうとするメンタルなんなの?本田さん価値観が独特すぎて読めないわ…苦難を乗り越えた成長が喜ばしいのも、乗り越えられなかった時は死ぬだけという究極覚悟も、自分と相手の区別なく適用してんだなこの人…

乗り越えるために何でもするのだとしたら、今回の経験で変化があるのかもしれませんね。「……そうか。」を見るに、感じるところがあったみたいですし。

 

第212話

 守備の英峰というイメージが強いので、攻撃で星海の体力を削った前半の結果は意外だし、さらに後半スタートは英峰攻撃、星海守備が肝だぞ!と来てワクワクします。秘蔵ってことは「こう来るとは思ってなかっただろう」という何かを出してくれそう。

八代が攻撃かあ…もう「ウッヒョーいやらしい!さすが八代サン!」って手を叩いてよろこぶ準備をしちゃったんでね、ぜひとも最高にいやらしい攻撃をしてほしいんですよね(ひどい決めつけ)

そういえばこれまでずっと腕に長めのサポーターしてたけど、攻撃に出て大丈夫なのかな?まあ守備でも腕は使うけど。

葉沼は対神畑用選手っぽいんですが、「やることは一つ」であの神畑を抑えきれるものなんでしょうか?他の選手のフォローありきの作戦なのかな。

 

しかしここにきてもまだ不破が何考えてんだか分かんないとは。余裕というより目の前の相手に集中してほしいと思っちゃいますね。他人からはパッと分かりにくいけど、彼なりの基準で真剣に挑んでいるだとは思うんですが…

怖くても狙いをハッキリ伝えてくれるパパ監督のほうがまだちゃんと向き合ってくれてる印象。

 

因縁の戦いで神畑の調子が過去最高にいいのは歓迎すべきことだし、長くは続かないかもと冷静に把握できているから転落フラグにもならなそうだし、まだ安心して見てられるんですけど、この後の能京戦はどうなるんだろう。

燃え尽きちゃわないかな…神畑の悲願達成は読者としても願ってるけど、能京に合宿のリベンジしてほしいし、そのためには万全で相手してほしいし…

 

第213話(前編)

 ルールでは許容されてても、地面に這いつくばるのって嫌だし普通やんないですよね。躊躇なくそれをやれるってところに葉沼の異様さが表れててゾクッとしました。前ページの光と歓声の中で戦うエースたちとの落差が際立つ絵が不気味でいい。

 

そんな葉沼のスタイルが生まれた経緯は…!って緊迫感持ってめくった最終ページで飛び込んでくる本気のサウナスタイル。えっ、サブタイの「整う」ってそっち?あの厳格そうな監督が?お帽子まで被って?ずるいわ…!絵面が強すぎる。

英峰対星海戦、終始引き締まった感じになるのかな、って思ってたのに。しかも急カーブで笑いどころが刺さって来ることが多い。不意打ちで死ぬわ。

 

最後のインパクトに持ってかれてしまったんですけど、体力しか注目されてなかった葉沼がなぜ神畑をコントロールする動きができるのかは気になります。

華のある選手との差を思い知らされるというのは、ほぼ全てのスポーツ選手が経験することでしょうが、星海というトップレベルにいる選手にとっては、なおさらきついのではないでしょうか。スタメンになるというだけでもハードルが高いのに、それを越えても届かない人たちがいる。

葉沼の台詞からすると、そのあたりは割り切りができているように思えます。監督がそう思えるように指導したんでしょうか。
監督、試合前はもっと厳格なだけのイメージだったんですが、早乙女も本人の意思を確認した上で試合に出してたし、意外と選手に寄り添ってくれるタイプの人なのかな…

 

第213話(後編)

 一度目指していた物を諦めるのは悪い事じゃない、苦手や得意を探している証拠だから、っていい言葉だな…灼カバの、人には才能や体格の面で埋めがたい差がどうしてもあるけど、考え続け、正しい方向に向かった人には報いがあるという姿勢が好きです。

いろんな人に響くような話だった…最初こそシュールな状況に戸惑ったけど。

 

こうやって葉沼は体力お化けになっていったんですね。もとから優れてたわけじゃなくて、忍耐でそこなら伸ばせると見極め、他を諦めた。

その底なしの体力でプレッシャーかけ続けるのが彼の戦いかたなのかな。彼個人のプレーで結果を出すことはできないけど、相手を体力的にも精神的にも追い詰め、ほかの特化した選手の効果を底上げする役目。

今回も結局神畑の攻撃を止めることはできなかったけど、「これが残り時間ずっと続くのは嫌だな」という印象を植え付けには成功しているようです。しかもそこで不破だもの!ギエー怖い!神畑休めない!

これまでなんやかんやで伏せられてた不破の攻撃がやっと見られるのか!でも成功したら八代の攻撃がお披露目延期になるかもしれないのか!えっヤダどっちも見たいのに!

 

「ヴィハーンビビるほどじゃないってよ」バーカバーカ!あとでほえづらかくなよ!いや、偵察の選手が悪い訳じゃないんだけど、奥武戦見たら肩入れせずにはいられないからさあ…!

 

第214話(前編)

 やっと不破の攻撃が見られたけど、見られたけどわからない!すごいってことしかわからない!各エースが自分の得意分野なら互角、でもそれ以外は上、って言うような桁違いを相手に分析と執念の守備が届くかってところで次回!?そんなあ!!

ほぼまるまる「こいつどないすんねん…どうすればええねん…」でしたわ不破。だからこそ未知の攻撃にすら反応してくることを予想した神畑の思考トレースが熱い。ある意味相手の才能に対する強大な信頼ですよね。

振り返らないと言うなら、これまでこっちを見なかった不破の思考の先を行って、嫌でもその目に入るようにしてやって神畑!!って気持ちになりますね。届いてほしい。その先へ行ってほしい。

 

「魅力なら負けないぜ」ちょっと外園なに言ってんの?その通りですけど?外園はどのくらいなら言ってもいいか、受け入れられるか、相手の好意的な反応を引き出せるか、わきまえた上でやってるからなあ。そりゃ好きになるわ。

山田スタジャン似合うー。

 

第214話(後編)

 あんな一部の隙も無い攻撃見せられて折れてないのも冴木がそれを評価してるのもさすがだけどカッコいいけどー!読者としちゃ不破お前その顔に衝撃やら悔しさやら刻ませてやるからな!って思ってしまうー!いや読者なにもできないけど!

 

英峰の攻撃にさえ振り返ることなく対応できてしまうんだな…床に映ったわずかな影から相手の動きを予測できるのは、感覚が鋭いというだけでなく、これまでの経験や分析によるところも大きいんじゃないでしょうか。センスだけ、って人を武蔵野先生出さないと思うし。

あの英峰の守備にセンスやセオリーだけで対応できるとは思えないんですよね。他のなにものでもない、英峰の守備とはこうだというのがわかってないと、あそこまでできないんじゃないかと。

そうだとすれば不破の中に英峰が映ってないわけではないんだと思います。他の学校や選手も見てはいる。けれども絶対王者としてその中に目指すべき姿はない。常に自分がトップだし、そうでなければいけないから。だから振り返ることはしない、というのが彼の姿勢…なのかなあ。

でも神畑のこれまでを見てると、そんな不破の前に立ちはだかった者として存在を刻み込んでほしいと願ってしまうんですよね…

 

細かく身だしなみ整えるのが八代らしい。たとえコンタクトスポーツでもやるんだ。八代は攻撃を見据えて最後の守備に参加してなかったんですね。悔しいけど彼が入ったところで今の不破は止められなかっただろうな。そのぶん攻撃でやりかえしてやってー!

 

第215話(前編)

 回想、ポリス沙汰かい!?星海がよってたかってフラグを立ててくれたのでもう期待しかないんですが、八代どんな風になっちゃうというの。わかりやすく暴れん坊なだけが闘志ではないけど…

細かく身だしなみを整えるくらいの潔癖さは、心の持ちようもまたそうなのかもしれないし。自分の思う正しさと外れることを見聞きしたら激しく反応してしまうとか。勝手な予想なので見当外れかもしれませんが。暴れん坊なら暴れん坊でギャップがすごくなりそうで、それはそれでいい…

 

もうね、後の先で「そうそう、八代はこれがあるから」と思った矢先にひっくり返されちゃったから、なんも分らんですよ。予想なんて立てられませんよ。合宿で教えを乞う畦道に、素直さだけでは選手としてやっていけないですよと諭した八代が、冴木に性格の悪さなら俺のが上~ってされちゃってるし。

八代もそれなりだと思うんですけどしたたかさで冴木を再度上回るのか、それとも全く違う方向で一発かますのか、なんにしても一泡吹かせてほしいですね。

 

第215話(後編)

 ああーそうかー育った環境と違う人間になりたいから徹底的に振る舞い方を変えるタイプだったかあ…お茶目なところもあるし余裕がある人だと思っていたけど、あんな風に自分の中でせめぎ合ってたのか…

憎むまではいかなくても、言葉づかいだったり他人への向き合い方だったり、ああはなりたくないと思う人の血が自分にも流れているというのは絶望的な気持ちになるものです。気を付けていたいけど、何かの拍子に出てしまうのではないかとか、歳をとったら抗いきれなくなるのではとか、いつまでも恐れがつきまとう。

だから今回、普段の八代が見せない荒々しさを出したことで星海の裏はかけても、そのまま続けていたら失敗していたのを、引き戻せたおかげで攻撃が成功したというところに希望があってよかった…戦い続ける努力が報われてた…

 

しかもスイッチ入ったのが仲間のことを思い出して、というのが団結や連携で戦う英峰らしくて。自分の内面的な戦いで、英峰に来た理由もおおっぴらにしてないかもしれないけど、孤独に立ち向かってるわけじゃなくて、心の中では仲間の存在が支えになってるんだろうなと感じられました。

英峰の連携の強さはこれまでしっかり描かれてきたので、八代の奮闘に若菜が応えたいと思う流れも自然なんですよね。それでなくても若菜は誰かが頑張っていたら力になってあげたいとか、自分も並び立てるようになりたいと思える人ですが。本当に主人公気質よな!いい子だよ…!

しかし意地悪な見方をすると、スピードという武器以外は前回八代が値踏みされていたような英峰の優等生的イメージに当てはまる選手だと思います。体格も技術も優れた星海に立ち向かうには難しいかもしれません。

きっと成長してくれると確信してますが、したたかさも兼ね備えるようになるのか、違う方向で成長するのか、楽しみです。

 

第216話(前編)

 かつてその人はベンチにいた自分を「負けて一番悔しそうだったから」と起用してくれた。では今ベンチではなくコートにいる自分の役割とは何か。若菜のモノローグが多い中でここだけベンチへの視線と神畑の言葉で心境の変化が描かれているのに痺れました。

それ単体でも「いい話だなー!」と思える場面ですが、今ここで繰り返されたことにちゃんと意味があるのがいいんですよね。試合に出た選手よりも悔しがっていた若菜の闘志を認めてくれた人とコートの中で戦っている今、わきまえて無理せず戦っている場合なのかと火が着くんですよ。

敵をよく知る先輩たちでさえ抑え込めるイメージが湧かないほどの強大な敵に対して、去年はいなかった自分が突破口とならなければと向かっていく。でも無謀に突っ込んでるわけではないんですよね。力不足をわかっていて、先輩たちのフォローを考えに入れて動いている。

だからこそ黒で塗りつぶされた「対不破」のイメージが若菜の働きをきっかけに思い浮かべられるようになる。それが守備の基本と言われればその通りなんですが、連携が強い英峰らしい奮起の仕方だなと思いました。

 

この時の葉沼の「小僧…!簡単な仕事じゃねーぞ!」もすごくいい…「なめるな」的台詞でもいいわけじゃないですか。でも周りの一流選手のように飛びぬけた才能も体格も持ち合わせておらず苦しんだ末にスタメンになった葉沼の過去を知っているとガツンと響く台詞になってる。

 

読者の私も「若菜といえば攻撃」というイメージが強かったので、守備で新境地見せてくれたのは意外だったしうれしかったです。はー…とうとう来るのかなその瞬間が…!

 

第216話(後編)

 神畑と若菜のやり取りを見て合宿編を思い出しました。あの頃からずっと「『次でいい』なんて油断してたら後悔する」と挑戦し続けるのが若菜なんだな。振り返った時、一貫した姿勢でそこにいてくれる登場人物って読者として心強いしうれしい。

作中では短期間だけど、リアルタイムで追いかけてる人なら合宿編から結構な時間が経ってるじゃないですか。合宿編なんて「懐かしいな」と思うくらいの時間が経ってます。環境が大きく変わった人も中にはいると思います。

そんな中で変わらず挑戦し続け、今まさに次の段階へ進もうとしている姿が見られるのは勇気づけられます。以前から変わらない部分を知っていることも、その上で成長した姿を見られることも、間に時の流れがあるからこそ感じられる喜びです。

そうやって武蔵野先生が登場人物の芯を大事にしてくださってることもうれしいんですよね。

 

若菜の成長が巡り巡って若菜をそうさせた神畑に変化を与えていくのがまた激熱スパイラル…!けど捨て身は見ててハラハラするから!君の戦い方こっちのMPも削れるんだわ!

貴重な笑顔回(ハートマーク)だと思ったら初回は後ろ向きだし、もう一回は鬼気迫る崩壊笑顔って、サービスなのトラウマなの。「ほころぶ」っていうのは固かった表情がゆるむってことで、物理的に崩れるのとは違うのよ。これはこれでいいけどいずれちゃんとしたの見せてよね…!